本を守ろうとする猫の話 (小学館文庫 な 13-5)

著者 :
  • 小学館 (2022年9月6日発売)
3.74
  • (118)
  • (144)
  • (169)
  • (33)
  • (2)
本棚登録 : 2582
感想 : 171
4

唯一の家族であった祖父が、高校生の林太郎に『夏木書店』という古書店を残して、突然亡くなってしまった。
「閉店」の札がかけられた店の奥に、翡翠の目をした一匹のトラネコが突然現れ、本を助け出すために力を貸してほしいと言う。

人間の言葉を話すトラネコのトラと林太郎が迷宮を乗り越えていく、壮大なファンタジー。
本を愛する人たちへの、熱いメッセージが込められていて、たくさんの哲学的な言葉にも触れることができます。

書棚の奥に開かれる扉は、静かで奥行きのある本の世界を象徴しているかのようで、作者の本に対する強い愛情が感じられます。
そして、無気力で引きこもりがちだった林太郎が見事に成長していく、清々しい物語でした。

「本には心がある」
その心を見失わないように、自分自身を養い続けたいと思う。
本の世界には果てがないのだとつくづく思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月23日
読了日 : 2022年11月23日
本棚登録日 : 2022年11月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする