対話篇 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年6月30日発売)
3.72
  • (226)
  • (391)
  • (399)
  • (47)
  • (12)
本棚登録 : 2560
感想 : 314
5

SPEEDに続き、また金城さんの作品。
「対話篇」読み終わりました!
いつも本えらぶときは「表紙→あらすじ→ちょっと読んでみる」って感じでえらんでるけど、だいたい表紙のデザインに左右されてる気がする。こった表紙とかだとすぐ手に取っちゃう。
けど、真っ白な背景に文字だけの表紙…こーいうのもすき!
…なんだか自分金城作品べた褒めしてる気が…まあいっか。

「恋愛小説」「永遠の円環」「花」の3つからなる中編集で、タイトルにもある通り、どの作品も対話を通してストーリーが進んでいきます。
会話文が多すぎる小説は、なんだか内容が薄いような気がしてすきじゃない(…って私だけかな?)けど、SPEEDの感想でも書いたけど本作はまったくそんなことないです。
むしろ、会話している光景が目に浮かんで、場面を思い浮かべやすくなっていてすごいな、と思います。
一時期物書きを目指していたものとしてはただただ感心するばかりです…(^^;

以下、若干(本当に若干)のネタバレを含むので、まだ本作やザ・ゾンビーズシリーズを読んでいない方は矢印内は読み飛ばしてもらえたらなーってかんじです。でもまあおまかせしますっ(-ω-)
個人的には、ザ・ゾンビーズシリーズ読んでから読んでほしいかなー。
あんま関係ないって言われてしまえば…そうかもしれないけど。 笑

*↓

きのうSPEEDを読み終わって対話篇を今日読んだのはほんとに偶然なのかなーって疑った。
びっくりした。だって谷村でてくるんだもん。
私の記憶力は鶏並みなので、「恋愛小説」で谷村が試験監督としてでてきたとき、「あれ?これどっかででてきたなー…昨日読んだのにでてきたのも谷なんとかだったなー」ってぼんやり思ってたけど、「永遠の円環」で上原彩子がでてきて、「あーっ!これ完全にSPEEDやん!」って確信。
…なんだか、こういうのってうれしいですよね。他の作品とリンクしてるかんじ。
他のひとの作品でもそーいうのはいっぱいあると思うんだけど…もうちょっと記憶力があったらなー。(・ω・`)
今回は偶然にしても楽しめました!助かりました!笑
…にしても、全部に谷村出てくるって…意外とお気に入りだったりするのかな?

「永遠の~」ではSPEEDではあまり触れられなかった上原さんの浮気相手じゃないほうの恋人が主人公、ということが読み進めるうちにわかってきてどきどき。
Kの正体気になるなー。でもこのなぞな感じがまた好きだったり。

↑*

読んでるとちゅうには「恋愛小説」がいちばんすきかなーなんて思ってたけど、全部読み終わってみると、「花」のほうがすきかもしれない。
でもこんな純愛なんてありえるかなー?
…でもありえてほしいなー。時代遅れって言われても。
なんでって感じかもしれないけど恋がしたくなってしまった。 笑(なんだか本編とはだいぶそれてるけど…)

誤解招かないために書いておきますが、本作は甘っ甘の恋愛小説じゃないです。
ありえそうだけど、ちょっとありえなさそうで、でもやっぱりありそうな、それぞれの人たちをめぐる、どこかせつない話です。
べとべとしてなくて、すてきな恋愛だなあって思います。
なんだか感じるものがあるんじゃないかなーって思うんで、よければぜひ読んでみてください!
きっと心に残ることばに出会えると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年8月3日
読了日 : 2012年8月3日
本棚登録日 : 2012年8月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする