前半は、偶然とも必然とも言える男女の出会いと、ふたりの間に生まれた子どもとの関係を描いたコメディー。後半はユダヤ人への強烈な差別をシリアスに描いていますが、ときどき楽しげに見えてしまう、不思議な魅力があります。主人公である父親の、機転の良さがつらさや悲しみをやわらげてくれているように感じました。
汚く狭い場所に収容され、強制労働をしいられても希望を失わずに生きる親子三人の姿がとてもまぶしく映ります。前半のおもしろおかしい展開との対比が効いていました。
父親は息子を楽しませるために命をかけ、息子は父親の言う通りに行動する。父親が常に明るくいられたのは、おそらく息子がそばにいたからでしょう。愛の形はそれぞれですが、ここまで献身的な愛を見てしまうと切なくなってしまいます。
映画史に残るであろう名作です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画(戦争)
- 感想投稿日 : 2016年1月3日
- 読了日 : 2016年1月3日
- 本棚登録日 : 2016年1月3日
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