文章のリズム感が悪くて読みづらい。
日本語としておかしいわけではないが、美しいわけではなく、言葉遣いとか改行とか、些細なことで読みにくくなってしまっている。
ストーリーにはおかしなところが多い。
崖から転落死した死体を葬式で見れてしまう。
普通なら、ぐちゃぐちゃになっていて見れないか、見れたとしても傷だらけでそれが目に入るはず。
ケイタに対するそれぞれの思いもありがちすぎて陳腐。
リノに至ってはケイタの内面を描くための道具にしかなっておらず、リノの内面や必要性が見えてこない。
ジャージの名前の刺繍はまず最初に見るのが普通だと思う。
ラストはひどすぎる。
あれだけ緊急を要するのに、わざわざ歩いて山に行くというのが信じられない。
ミホたちの口を通して、警察に連絡した方が確実だ。
そもそも、ケイタの捜索時に見つからなかったのが不自然。
事故として片づけたとしても、現場検証で転落現場には行くだろうし、遺留品の捜索も行われるはずだ。
そして、1000Mを超える程度の低山とはいえ、山の中で意識を失って数日……というのもなかなか厳しいと思う。
人物、エピソード、ストーリーなど全体的にリアルさを追求した方がいい。
天沢夏月を読むのは初めてで、本作以外にもタイトルと設定とイラストに惹かれる作品は多いが、どれを読んでも期待外れになりそうな気がする。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月7日
- 読了日 : 2017年6月11日
- 本棚登録日 : 2020年10月7日
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