少しずつ物語が始動し始めた印象の強い4巻である。
前巻における吸血鬼陣の登場に加えて、今回は巻末に探偵の鶯餡子が登場。吸血鬼という存在自体に次第に物語がクローズアップされている印象だ。
ただ、この巻は全体的にやや雑多な内容になっている。
後半もキーパーソンとなるメンヘラさんの登場から始まる第30夜「あっくんと呼んでくれ」はこの作品らしい内容であり、第31夜「都合よくモテない知り合い」からは吸血鬼女子陣の一人・小繁縷ミドリが働くメイド喫茶が舞台となって軽い推理物が展開されている。
第34夜「最低だろうか」からアキラ視点によるコウの不登校の経緯が紹介され、第35夜「この先生が苦手だった」では担任の先生とコウが深夜に出くわす物語が描かれている。
その上での鶯餡子の登場から始まる4話が挟まり、閑話として巻末に掌編が一話。
改めて整理してみて、本当に多くの物語が一巻に詰まっているのだなと感心させられたくらい、内容が多岐にわたる濃い一巻である。
それだけに、評価は分かれるかもしれないが、個人的には好感を持って楽しませていただいた。
今回も星五つで評価したい。
正直に述べておくと、探偵の鶯のデザインが好みなので、その辺も評価に加味されていたりはする。
コトヤマさんの描く女の子は本当にフェティッシュで、どの子も素敵だなとつくづく思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ドナドナ
- 感想投稿日 : 2020年9月11日
- 読了日 : 2020年7月19日
- 本棚登録日 : 2020年9月11日
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