ホラーとミステリーが好きな人にはおすすめです。
主人公は赤い右目を持つ大学生の男の子。その右目には人ではないものが見えると噂で、幽霊がらみで困ったことがあるなら彼のところへ、と言われたヒロインが彼が勝手に居住区にしている映画研究室の扉をたたくことでお話が動き始めます。赤い瞳というカラーリングと幽霊が見える体質、出生の秘密のために負うことになってしまった過去により世間に対し斜に構えた態度をとる主人公の時折見せる優しさや、そんな主人公にまっすぐ向き合うお人よしなヒロインに好感がすごく持てます。直情型で考えるよりも先に動いてしまうヒロインもただただ単純というだけじゃなくて、彼女にも背負っている過去があり、そうした過去が形作る彼女だからこそ主人公と深くかかわっていられるのだと思います。ミステリー、ホラーという分類での楽しさだけじゃなく、素直じゃない主人公と素直すぎるヒロインの恋愛も楽しめる一冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年1月8日
- 読了日 : 2012年7月23日
- 本棚登録日 : 2012年7月23日
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