/§**/ 親になるということ \**§\
この作品は『イゴールの約束』('96)でイゴールを演じた俳優:ジェレミー・レニエが主役を務めている。
そこから9年後の作品にあたるので、当然ながらレニエが大人の男に成長している。
本作でのレニエも、初めは人間性を欠く若き父親=ブリュノの役。
恋人:ソニアに産ませた赤ちゃんを売ってしまうという驚きの無茶振りだ。
まるで9年後のイゴール自身がここに登場したのかと錯覚させられる部分も…(苦笑)
ソニアが自分の子供をしっかりと愛しているところに唯一救われる想いになる。
まぁ一応予想していたラストではあったが…
自らの行ないを悔い改めた若い男が、
彼女と一緒にたくさん泣いて、泣いて…
そして父親としての彼が、
「まさに、人生をこれからスタートさせるのだな…」という終わり方は、とても爽やかだ。
自然と「頑張れよ」という言葉を掛けてあげたくなる。
ベルギーを代表する監督であるダルデンヌ兄弟。
お気に入りの俳優として、彼等の作品には必ずと言って良いほど顔を見せているオリヴィエ・グルメという男優さん。
*『息子のまなざし』
*『ロゼッタ』にも出ていらっしゃる。
寡黙な役柄と眼鏡が印象的な方だ。
特に前者での木工技師の役が私の中では強烈な印象で残っている。
■また本作の主人公ジェレミー・レニエも、こうした役どころ(挫折した若者)を実に巧くこなす俳優だと思う。
*『イゴールの約束』では幼き彼の演技に驚かされた。
本作もダルデンヌ兄弟による自然体で、インパクト大な演出には脱帽だ。
お若い方々にも是非観ておいていただきたい逸品である。
- 感想投稿日 : 2014年10月11日
- 読了日 : 2014年10月11日
- 本棚登録日 : 2014年10月11日
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