楽しく稼ぐ本 (だいわ文庫)

  • 大和書房 (2010年8月7日発売)
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感想 : 18

ビジネスの世界では、人を評する時に「金のにおいがする人/しな
い人」といった表現をします。

本日ご紹介する一冊は、ジャンルは違えど、お金のにおいがプンプ
ンする2人による共著です。

一人は、ジャーナリストながら独自のやり方で原稿料・印税以外の
収入減を持つ日垣隆さん、そしてもう一人は、経営コンサルタント
・税理士として有名な岡本吏郎さんです。

本書では、この2人の対談形式で、税金の話から商品の価格設定、
不動産投資の話まで、「楽しく稼ぐ」をテーマに、じつに幅広いト
ピックを論じています。

お二人の得意分野である、知的生産における稼ぎ方についても紙数
が費やされているので、同業の方は、ぜひチェックすることをおす
すめします。

まず思い切って価格を上げる、買った人が破綻した物件を買う、飲
食店は3年でやめる、クレーム客を切るなど、両者ともあまりにざ
っくばらんな主張で驚きます。

かと思うと、税金や不動産投資、これから有望なビジネスについて
の具体的なアドバイスもあり、じつに実践的。

対談本だと思って軽い気持ちで読んでいたのですが、これは拾い物
の一冊でした。

知的生産で稼ぎたい人や、中小企業経営者にはとくにおすすめです。

ぜひ、お訊きしたい。この国はいつから、人を一所懸命になって雇
う人たちが、蔑まれるようにすらなってしまったのか、と(日垣隆)

みなさん、6月に住民税が来ることを考えていないんです。それも
前の年の収入についての税額ですから。稼いだ年の12カ月のカレン
ダーのなかで、翌年6月に来る分を仮計算して、資金繰りしておか
ないとダメです(岡本吏郎)

「いつかはレースを終わらせる」と自分自身の念頭に置いていない
と、いつまでたっても仕事をやめられない。やはり、内部留保はき
ちんとしておかないといけません(岡本吏郎)

中小企業の場合、提供側がプレッシャーを感じる価格というのはキ
ー(岡本吏郎)

価格というのは、場合によってはひとつの商品で何種類か用意して
もいい(岡本吏郎)

たとえば私は、物書きとして20年あまりやっている。では仮に私が
書くことが好きだとして……、本当は好きではないですけれど(笑)、
タダ同然で原稿依頼を受け続けたとしたら、どうなるか。400字1枚
100円でもけっこうですとたくさん仕事を受けていたら、あとから
来る後輩が育つでしょうか(日垣隆)

消費は自己表現なんです。ですからコモディティー以外の商品の価
格は、絶対に高いほうがいい(岡本吏郎)

新規参入は必ずあると考えてビジネスを組み立てたほうがいい(岡
本吏郎)

買った人が破綻してしまい、安く売り出された物件なら買ってもい
い(日垣隆)

稼ぐために一番いい解決策は「かけ算」しかありません(岡本吏郎)

「噂の眞相」はもう社員がいないのに、ずっと集金しているわけで
す。ネットに載せておくだけで口座残高が増えていく。これはおも
しろいなと思います(日垣隆)

5000人市場のおいしさというのがあって、ひとつは価格が高い。そ
れと顧客ロイヤリティーが高い(岡本吏郎)

飲食店を3年でやめるのは正解です。飲食店は3年と1日目から売
り上げが落ちますから(岡本吏郎)

今は「難民ビジネス」が儲かっています


第1章 間違いだらけの会計常識 だからあなたは儲からない
第2章 価格常識のウソ 安売りは自分の首を絞めるだけ
第3章 資産づくりの勘違い 財産と思ったら負債だった!?
第4章 かけ算の経営戦略 衰退産業にこそチャンスが眠っている
第5章 経営者の資質 この社長なら会社は安心か?
第6章 ビジネスの落とし穴 格差社会で抜きん出るには
付録 賭け事で確実に儲ける方法
経営も人生も肝心なことはカジノが教えてくれる

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カテゴリ: 経営 仕事
感想投稿日 : 2010年11月9日
本棚登録日 : 2010年11月9日

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