「空間」から読み解く世界史: 馬・航海・資本・電子 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2015年3月27日発売)
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本棚登録 : 78
感想 : 6
4

[評価]
★★★★☆ 星4つ

[感想]
本書のタイトルに世界史とあるが通史ではないことを注意が必要だ。
むしろある程度は世界史の流れを把握していないと各々の地域にスポットを当てた際に前後する時代の把握が難しくなる。自分も読んでいて苦労した。
さて本書では世界史を「空間」という観点から解説しているが空間軸に最も大きな変化が起きたのが大航海時代しており、ここまでがユーラシア大陸を中心とした「陸の歴史」が大西洋、インド洋、太平洋を中心とする「海の歴史」に変化したのだとある。
このような「空間革命」は歴史上で何度も発生しており、それに大きく貢献した要素がサブタイトルの「馬・航海・資本・電子」であることを考察している。
この本を読んでいると今までに読んできた世界史やテーマ史の知識や社会システムの知識などが関連付けられていることを強く感じ、さらには新たに詳細な歴史を知りたくなる。
また、空間の結び付きが人類の発展を促し、さらには空間同士が直接接続することで人類が豊かになってきたことを理解することができた。現在では電子空間という陸や海などのような制限がほぼ存在しない新たな空間を生み出され、人類はさらに発展するのだろう。
ただ、「空間革命」が発生する際には既存の空間を大きく変化させる事が多かったようだ。インターネットという新たな空間の発生は人類発展と共に大きな傷みが伴うのではないかと一抹の不安も感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月22日
読了日 : 2015年9月4日
本棚登録日 : 2018年12月22日

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