本書は元々は大正十五年に発行された本であり、著者自身が実際に明治~大正の時代を通じて見聞してきた事を記したもの(生方は明治15年生まれ。幼少期は群馬県で過ごし、明治学院から早稲田大学へと進学。新聞社でジャーナリスト・作家として活躍した経歴を持つ)発行当時著者は40代。よくある老人が晩年に若い頃を回想して書いたモノではないので、妙な思い出補正や、年を取ってからの記憶の混濁や後の人のいれ知恵的なモノがなく、同時代的記録になっているのが良いです。
そして、著者が政治家ではなく、ジャーナリストでユーモア作家であったところからの、世相風俗に対する視点の面白さ、鋭さが文章の中に溢れてて、読んでてホント面白い。
以下、目次を引用。ね、面白そうでしょ。
維新当時の滑稽外交 憲法発布と日清戦争
明治時代の学生生活 政府の恐露病と日露戦争
明治大帝の崩御 乃木大将の忠魂
明治大正凝視の中心となった女性
大正八年夏の世相 大正十年歳晩記
関東大震災 大震災後期
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文豪関連
- 感想投稿日 : 2019年6月6日
- 読了日 : 2019年6月6日
- 本棚登録日 : 2019年6月6日
みんなの感想をみる