外国人選手が来日して真っ先に覚える言葉が三つある。「バカ」「スケベ」、それに「ガイジン」である。前の二つは万国共通というか、男社会であってみればさもありなんと思う。だが、最後の「ガイジン」には首をかしげる方もあるのではないか。
彼らが「ワタシ、ガイジン」というときはえてして、心の状態がよろしくない。不快な気分を味わっているときである。表面はおだやかに見えてもどこかで波が騒いでいる。異国で孤立感に襲われたり、差別を感じたり、そこからくる漠然とした不安とか、いろんなものがないまぜになって、その言葉が吐き出される。(pp.160-161)
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2018年11月18日
- 本棚登録日 : 2018年11月18日
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