踊る人形

著者 :
  • 青空文庫 (2009年12月7日発売)
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 作者は「シャーロック・ホームズ」シリーズで知られているアーサー・コナン・ドイルだ。出身はイギリスのエディンバラである。本名は「サー・アーサー・イグナティウス・コナン・ドイル(Sir Arthur Ignatius Conan Doyle)」という。

 ボーア戦争で行われたイギリスの非人道的行為の擁護、第一次世界大戦での士気を上げるための演説と執筆活動を行ったコナン・ドイルは、熱狂的な帝国主義者だったと言われている。
 推理小説や歴史小説などで有名なコナン・ドイルだが、元の職業は医師であり、ボーア戦争には軍医として赴任している。戦地では軍医だけでなく、軍の司令官への報告業務なども担った。
 後に、戦地での活動を機に政界を目指す。戦争賛成者からの支持は高かったが、落選する。
 医師であったコナン・ドイルの執筆活動は、患者が集まらずに生まれた暇な時間に雑誌会社へ小説を投稿したことから始まった。後に短編小説ではあまりお金が稼げず、長編小説を書き始める。それが、「シャーロック・ホームズ」の第一作「緋色の研究」である。ホームズの友人であるワトソンの語り口で書かれる「シャーロック・ホームズ」シリーズは、多くの人々からの評判を得る。

 「踊る人形」は「シャーロック・ホームズ」シリーズの1つであり、1903年に56ある短編小説のうち27番目に発表された。1905年発行の第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)」に収録される。アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの短編小説である「黄金虫」と類似していると言われている。
 踊る人の絵で描かれた暗号、数の合わない弾丸、エルシー夫人の謎などを解き、犯人を見事に捕まえるホームズは見ものであり、踊る人の絵の暗号の仕組みに驚かされる。「踊る人形」の冒頭にあるようなホームズとワトソンの会話の存在が、「シャーロック・ホームズ」シリーズが人気を博す1つの要因ではないかと私は考える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年10月19日
読了日 : -
本棚登録日 : 2020年10月19日

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