世紀の落球-「戦犯」と呼ばれた男たちのその後 (中公新書ラクレ 697)

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  • 中央公論新社 (2020年8月6日発売)
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西武のG・G佐藤が北京オリンピックでやってしまった落球、箕島と星稜の試合で延長にファーストの選手がやってしまった落球、そして巨人V9の最終年に甲子園で阪神池田がやってしまった落球をピックアップしたドキュメンタリー。三つともその試合の結果を左右したことに間違いはないが、後々かそれぞれの選手がその後必死に挽回しようと活躍したことには触れられず
エラーばかりを追いかけ回される。でもそれぞれの選手が、その後いずれも克服して第二の人生を、それも皆野球から離れることなく送られていることにホッとした。
草野球でもやっていればそれこそ無数にそんなエラーはあるのに、オリンピックだ、甲子園だ、そして伝統の阪神巨人という舞台になるとなぜか「世紀の大落球」みたいなことになるのだろうか。
その3人の他にも鳥谷だったり、屋敷だったり、ソトだったりの話もあって、金本、長嶋、ラミレスという監督が、エラーしてしまった選手を守り庇ってくれたのかそうでなかったのかで、その後が違ったものになったという話を読んで、エラーとボーンヘッドは違うという江夏の話も含めて、自分が上司の立場にいる間、親として育てるという立場にいる間は、対応を間違えてしまってはいけないなと気付かせられる想いがした。
鳥谷の金本監督はこれを読んでどう思うのだろう。箕島の故尾藤監督の対応は感動したなあ。屋敷の長嶋もソトのラミレスも。その3人のように自分もできたら良いなと重ねて思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年2月11日
読了日 : 2022年2月11日
本棚登録日 : 2022年2月11日

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