自死: 現場から見える日本の風景

著者 :
  • 晶文社 (2016年5月10日発売)
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感想 : 13
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先進国の中で日本は飛び抜けて自死が多い。実例の取材なども含めて、その背景に迫る。

遺族への取材の中でその無念や理不尽への闘いに寄り添うことで、日本社会の仕組みや人々の差別意識への義憤が高まっているのが伝わってくる文面。しかし、時に感情的になってやいないかという箇所もあり、申し訳ないと思いつつも一歩引いた目線で読んだ方が良いと思える。

過労自死に関する章で、過労だけで衰弱して死を選ぶのではなく、過労の中でパワハラなど他の要素が重なって精神を病んだ結果、死を選ぶようになってしまうのだという指摘が印象に残った。また、自死した人に対する戒名を、「自死は殺生と同じこと」との考えから、その人を貶めるようなひどい名前をつける僧侶がいるというのには驚いた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年12月10日
読了日 : 2023年12月10日
本棚登録日 : 2023年12月10日

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