イノベーションのジレンマ 増補改訂版: 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

  • 翔泳社 (2001年7月1日発売)
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これまでに多くの企業がその技術力などで市場を獲得し席巻している一方で、実績を持ちすぎたがゆえに市場からの退却を余儀されなくなっている事実が多くある。

こうした状況は何が起きているのか?そこにイノベーションのジレンマがあると言うのが本書である。

こうしたことがたびたび起きるのは、経営戦略などが間違っていたのか?と思われがちだが、そう言うわけでもない。むしろ優秀な経営者が正しい判断をしてしまうが故にイノベーションのジレンマが生じてしまう。

具体的には持続的技術と破壊的技術と言われるものがあり、それぞれ主流市場(規模が大きい)と新興市場(規模が小さい)もしくは上位市場と下位市場と位置付けられる市場がある。

これらはマーケティング戦略で正しく判断しようとすると、大きな企業であればその企業が持つ価値基準によって、利益にそぐわない投資(破壊的技術への)が必要になり、また新興市場というものは予測が不可能なものであり、意思決定においてどうしてもジレンマが生じてしまう。

そこで、どう行動すべきか?それをクリステンセンが示唆してくれている。
今でこそ、要約動画などが出回っているが、本書をしっかり読み解くことと、要約動画で知った気になるのとは天と地ほどの理解の差がある。

企業経営に携わるものは必携の書と言わざるを得ない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年7月9日
読了日 : 2022年7月9日
本棚登録日 : 2022年7月9日

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