帯の後ろに“わかりにくい応仁の乱を完全理解!”なんて書いてあるもんだから、「何だか学生の頃のアンチョコ参考書みたいだなー」と思って読み始めたら、本当にアンチョコみたいな書き方で。
その懐かしさに笑っちゃいました。
とはいえ、そこはアンチョコ!(笑)
これはわかりやすいです。この前に読んでいた呉座氏の『応仁の乱』の本当にいいおさらいになりました。
アマゾンなんかでは評価低めだし、このブクログでもレビュー数は少ないですが、ちょっともったいなくない?
呉座氏の『応仁の乱』を完璧理解しちゃった人ならともかく、私のように「大筋ではわかったんだけど…」くらいの人は読んでみても損のない内容だと思います。
ていうか、呉座氏やつは周辺(エリアと時代)から描くことで応仁の乱をあぶり出すみたいな書き方だったのに対して、この水野氏の本はあえて輪郭を描いちゃうという書き方なんですね。それも太いマジックペンで強引に、みたいな。
ゆえに小難しく語りたい人からすると、いろいろ文句をつけたいというのはあるのかもしれませんけどね(笑)
ただ、それは著者の水野氏の見方として、自分の見方と比べながら読むとまた楽しいんじゃないかと。
ただ、気になる点もあって。
例えば、山名氏を足利一門と書いてあるんだけど、そこにある系図を見ると新田氏の系統となっていたり。
他にも載っている図と文章がいまいちかみ合ってないところがあってみたり。
ていうか、帯のデカデカとある“登場人物全てが、アウトレイジ!”って、「それ、全然違うだろ!」と(笑)
ま、それは著者より編集の人にツッコむところなのかな?
(各ページにいちいちついてる血のりのデザインとか、ダサいのでやめてほしいw)
とはいえ、個々の戦闘の解説や、応仁の乱主要メンバーの領地(地方)の状況、さらに関東のことについても書かれているし。
応仁の乱については、他にもいろいろ出ているのでもっといい本があるのかもしれませんけど、呉座氏の本のおさらい(もしくは予習に)おススメ。
- 感想投稿日 : 2019年1月14日
- 読了日 : 2019年1月4日
- 本棚登録日 : 2019年1月14日
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