血族経営により発展した巨大企業のトップが死亡。すべてを受け継いだ一人娘に株の公開をせまる親族だったが……。
ユダヤ人居住地域“ゲットー”から起業したサミエル・ロッフは、家族だけで株を確保し経営するシステムをつくり、巨大企業を築きあげた。その子孫であるサム・ロッフが死亡し、即金が必要な親族たちは株を売りたいがために、突然すべてを受け継ぐことになった一人娘エリザベスに株の公開をせまる。
上巻では、血族たちの個性的な面々、それぞれの事情が紹介される。いずれもがすぐに大金が必要な困った事態になっており、これらのエピソードだけですでに面白い。創業者サミエルの冒険と挑戦の物語もドキドキハラハラ。最終的には読者が感情移入する主人公はエリザベスであり、彼女の決断が血族の運命を左右するわけなのだが、とりあえずはそこに至る前段階。下巻から話は盛り上がるだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月14日
- 読了日 : 2023年10月30日
- 本棚登録日 : 2021年6月1日
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