太陽を盗んだ男 [DVD]

監督 : 長谷川和彦 
出演 : 沢田研二  菅原文太  池上季実子  北村和夫  神山繁  佐藤慶  風間杜夫 
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5

ごくごく普通の中学教師が、プルトニウムを盗み出して自らの手で原爆を作り上げ、国家に挑戦していく姿を描いた、伝説の監督・長谷川和彦による反体制的ピカレスク・ロマン。
一見荒唐無稽風でアラも多いが、それを凌駕(りょうが)する映画のパワーに満ち満ちている快作であり、20世紀を代表する日本映画の1本にこれを推す者も多い。
特に、前半の原爆を製造する際の描写が秀逸だ。
いつも風船ガムをふくらませている頼りなげな犯人を沢田研二が好演。
また、彼が要求する事項が「TVのナイター中継を最後まで見せろ(79年当時は、放映時間が定められていたのだ)」とか「ローリングストーンズを日本に呼べ(当時、彼らは麻薬所持のせいで日本に入国できなかった)」と、何とも時代の空気を感じさせる。対する体制側には菅原文太というキャスティングの意外性もおもしろい。
当時人気絶好調だった沢田研二が、よれよれのスーツでだらけている表向きの顔の裏でプルトニウムを奪って爆弾を作って政府と勝負しようとする主人公を飄々と演じ、主人公と対決する刑事を菅原文太が演じています。沢田研二が警官から催眠ガスを使って拳銃を奪うシーンをユーモラスに描いているところやプルトニウムを奪うシーンのコマ送りでインベーダーゲームの擬音も織り込んでオフビートなテンポで描いているところや原子爆弾を製造する過程を緻密に描いていたり、沢田研二が原子爆弾で政府に要求する内容の大人げなさすぎることや警察に奪われた原爆を奪い返してパトカーが横転しまくるカーチェイスに突入するなど、ヤバくてクールな内容は20年以上経っても変わらない面白さです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月10日
読了日 : 2023年2月10日
本棚登録日 : 2023年2月3日

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