現実に生じるセクハラは、お役所や会社、大学が発行している防止パンフレットや各種マニュアルの事例とはだいぶ違うものである。結局、この問題の難しさは、ほとんどのセクハラが、グレーゾーンで生み出される点にこそあるのだ。なぜ女性ははっきりとノーと言わないのか、男性はなぜ気づかないのか。恋愛がらみの二つのパターン、妄想系とリアル系の違いとは。そして、訴えられたらどうすればいいのか―。セクハラ問題の第一人者が、豊富な具体例を紹介しつつ、男が嵌りやすい勘違いの構図をあぶりだす。誰でも知っておいて損はありません!
セクハラの定義は、「性に関わって人間性を傷つけること、職場や学校などで相手の意に反して不快で苦痛な状態に追い込み人間の尊厳を奪う性的な発言や行為や性的嫌がらせ」と広辞苑にある。
この本では、男性の側は合意と思っていたがセクハラとされるケース、交際に至っていなくても相手の真意を取り違えたケース、男性の不用意な言葉や行為がセクハラとされるケースなどを通して、セクハラが発生するメカニズムと背景にわけいって男性が気づかない理由を解き明かしている。
女性が喜んでいるように見えてもセクハラであるケース、相手の立場上嫌でも受け入れているケース、仕事のことでメールや電話をしているのに一対一の関係の中で恋人気取りを始めるケースなどが、多い。
セクハラ男になりたくなければ、自分が見えている真実ではなく、相手の立場に立って事態を見るように努めることが大事。
男性が恋愛と思っていてセクハラとされるケースには、上司や同僚の男性をまったく異性と意識しない無邪気な言動にスイッチが入るケースもある。
何故女性のノーが伝わり難いか、それは女性が相手の報復を恐れていること、女性が子供の頃から相手の意図を伺いながらコミュニケーションするように育てられていて強い拒絶の言葉を使うことに慣れていないから。
職場で女性と上手く仕事していく研修にも役立つ1冊。
- 感想投稿日 : 2024年2月16日
- 読了日 : 2024年2月16日
- 本棚登録日 : 2024年2月16日
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