紙の月 DVD スタンダード・エディション

監督 : 吉田大八 
出演 : 宮沢りえ  池松壮亮  大島優子  田辺誠一 
  • ポニーキャニオン
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本棚登録 : 904
感想 : 197
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バブル崩壊直後の1994年。夫と2人暮らしの主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしている。
気配りや丁寧な仕事ぶりが上司や顧客に評価され、何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心が薄い夫との間には、空虚感が漂いはじめていた。
そんなある日、梨花は年下の大学生・光太(池松壮亮)と出会う。
光太と過ごすうちに、ついに顧客の預金に手をつけてしまう梨花。
最初はたった1万円を借りたつもりだけだったが、しだいに金銭感覚と日常が少しずつ歪みだす。
角田光代の同名小説を映画化。
高校生の時にボランティアに熱中した時のように、年下の彼氏に尽くしている時だけは、自分に無関心な夫への怒りを忘れ必要とされている喜びを感じることが出来たこと、徐々に自分の金と顧客の金の区別がつかなくなり暴走していく主人公を細やかに演じる宮沢りえ、銀行や社会の理不尽さに我慢しながら踏みとどまって不自然な記録や書類の不備に気づいて主人公を追い詰める小林聡美、無意識に主人公を悪に誘うが立ち回りの上手い大島優子、三者三様の女性の葛藤と選択が細やかに描かれている女性目線のサスペンス映画の傑作です。
ラストの宮沢りえの全力疾走は、家庭や仕事や道徳からも解き放たれる開放感すら表現している爽快感あふれるラストでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年1月3日
読了日 : 2023年1月3日
本棚登録日 : 2022年12月31日

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