山岳小説としての描写・構想力はいくつもの作品を手掛けてきた
筆者ならではのもので、高い水準にあると思います。
ただ、前半から終りまで、
「いい奥さんに恵まれ、子供も誕生する。
大きな仕事も実現に向けてあと一歩のところまで順調に来ている。
なのに、なぜこんな危険な登山に向かったのか?
津田は何に突き動かされて山に向かったのか?」
という主題の問いかけが何十回と繰り返されます。
問いかける人を変え、シチュエーションを変え、
何度も、ひたすら、くりかえし出てきます。
また、津田救出に至るまでも、
津田はこんなに周りから愛されてる奴で、死ぬ筈がない。
きっと生きてる。きっと助かる。奇跡を信じようという話が
人を変え、シチュエーションを変え、延々とくり返されます。
分厚い本ですが、ちょっと話が進むと、上の二つが出てくるので
もう少し繰り返しを避けて内容を絞り込めなかったのか
という気がします。
それに耐えられる人は面白く読めると思います。
正直、自分に酔ってると感じる人物が多く、
そこに違和感をかんじることも多かったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年10月18日
- 読了日 : 2014年10月18日
- 本棚登録日 : 2014年10月18日
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