その峰の彼方

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年1月10日発売)
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本棚登録 : 221
感想 : 38
4

山岳小説としての描写・構想力はいくつもの作品を手掛けてきた
筆者ならではのもので、高い水準にあると思います。

ただ、前半から終りまで、
「いい奥さんに恵まれ、子供も誕生する。
大きな仕事も実現に向けてあと一歩のところまで順調に来ている。
なのに、なぜこんな危険な登山に向かったのか?
津田は何に突き動かされて山に向かったのか?」
という主題の問いかけが何十回と繰り返されます。

問いかける人を変え、シチュエーションを変え、
何度も、ひたすら、くりかえし出てきます。

また、津田救出に至るまでも、
津田はこんなに周りから愛されてる奴で、死ぬ筈がない。
きっと生きてる。きっと助かる。奇跡を信じようという話が
人を変え、シチュエーションを変え、延々とくり返されます。

分厚い本ですが、ちょっと話が進むと、上の二つが出てくるので
もう少し繰り返しを避けて内容を絞り込めなかったのか
という気がします。

それに耐えられる人は面白く読めると思います。

正直、自分に酔ってると感じる人物が多く、
そこに違和感をかんじることも多かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年10月18日
読了日 : 2014年10月18日
本棚登録日 : 2014年10月18日

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