マンガでやさしくわかるアドラー心理学 2 実践編

著者 :
制作 : 星井博文  深森あき 
  • 日本能率協会マネジメントセンター (2014年12月19日発売)
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・こちらは、自分と同じタイプが主人公なので、初版より共感しやすい。
・アドラー心理学を実践するためには、①自己決定性発想:外部環境や成育歴に責任転嫁せず自ら主体的に人生を創造する、②建設的発想、③目的発想:原因ではなく目的を大事にする、④使用の心理学発想:自分が持っている資質を最大限に活かす、⑤つながりと絆の感覚発想:人と自然のつながりと絆をもとに行動する、⑥相互尊敬、相互信頼発想:大切な人との間により豊かな対人関係を形成する、⑦勇気づけ発想:困難を克服する活力として、自分や他者にどうしたら勇気を与えられえるか、の7点が重要。
・自己決定性発想とは、今の自分を作ったのは昨日までの自分であり、未来の自分を作るのは、今の自分。
・建設的発想とは、自分と他者を含む共同体にとって建設的かどうかに基づいて判断し行動すること。
・目的発想とは、目的(「何のために」という理念、価値観、信念、夢等)に基づいて目標(「どこに向かって」という行動の到達点、目標値であり長期から短期まである)を設定し、目標を達成するための手段や計画を立案し、それを実践すること。
・実践できなかった時があっても、過去にさかのぼって原因追究しないこと。
・使用の心理学発想とは、自分の長所や強み、持ち味を外部のチャンスにつなげることで、貢献できる領域が広がる。重要なことは、何を持って生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである。
・つながりと絆の感覚(共同体感覚)発想とは、家族、地域、職場などの共同体の中での所属感、共感、信頼感、貢献度を総称したもので精神的な健康のバロメーター。共同体の中で問題が発生したときに、自分にとってどういう影響があるか?ではなく、自分を含めた仲間の誰にどう影響するかと受け止めること。「私」に対するこだわりを離れて「仲間」を考えること。
・人間の行動は、ライフタスク×ライフスタイル、と定義される。
・診断結果では、自己抑制タイプ(コントローラー)。
・自己抑制タイプは、感情をあまり表に出さない完璧主義者。失敗してはならないという自己理想を持っている。時間をきちんと守り、秩序yはルールにも忠実。一方で融通が利かない面もある。感情を表現しないだけで、必死に感情を抑え込もうとしていることもある。
・自己抑制タイプの自分に対しては、時には自分の不完全さを許し、ほどほどに息抜きや手抜きをするように心がける。
・プリーザー度が高く、相手に好かれようと無理を重ね、苦しくなってしまう。
・目標が高くギャップが大きすぎて苦しい時には、目標を低く設定すれば良い。
・対他的劣等感を感じた場合、比較と差を埋めようと努力する場合と、分野を変えてライバルが相対的に強くない分野を探しその分野で優位に立とうとする。
・焦りとは、近未来に果たさなければならない課題があるにもかかわらず、現状が準備不足である時に何らかの対応をするよう警告する感情。
・焦りに対しては、①前兆として不安というシグナルがある、②仕事の優先度と重要度と緊急度の区分を明確にする、③先延ばししながらも心の中で一種のリハーサルをしている(エネルギーを蓄えている)。
・焦りには、将来の漠然とした何かがありながら手つかずの状態の感情として、前兆である「不安」がある。何よりも手つかずの状態が続くことが一番焦りを招くので、焦りになる前の不安の段階で対処する。
・不安とは、将来に直面しなければならない課題があるのだが、どちらかというとその対象が明確でなく、しっかりとした対処をしなければならないと思いつつ、十分な対処が出来ないでいる感情。
・実在的不安とは、将来を見据えてよりよく生きようとすることに伴う不安で、その目的は、①自分を守ること、②自分を行動に駆り立てること、2つ。
・感情をコントロールするには、①身体面から、②思考面から、③行動面から、のコントロールがある。
・身体面からのコントロールは、感覚器官を含めた身体を使ってリフレッシュすること。呼吸法もお勧め。
・思考面からのコントロールでは、~すべき、~しなければならないという考えを捨てて、楽観主義になること。楽観主義は、いざという場面で勇気と希望を生み出す(代打やリリーフで弱気な人はいない)。悲観主義は慎重さをもたらすが、いざという面ではマイナスに働く。
・行動面からのコントロールは、心の中でリハーサル(準備)をしていて実際の作業がギリギリになってしまうことが多いので、出来ることから早めに着手する。
・主張性には4パターンあり、①主張的行動:相手を傷つけないで自分の主張を聞き入れてもらおうとする、②非主張的行動:相手を傷つけないために自分の主張を引っ込める、③攻撃的行動:相手を傷つけてでも自分の主張を通そうとする、④復習的行動:相手を傷つけ自分の主張はあきらめる。
・自分は②非主張的行動であり、本来対等であるべき人間関係でも自分を下に置くことで卑屈な関係が続き、ストレスを受けて我慢を重ねてるうちに耐えられなくなって爆発することがある。
・主張的行動がひどくなると復習的行動になってしまう。それを防ぐには、①立ち止まって考えること、②自分と相手に建設的(OK)であるようにふるまうこと、③「幸福な物語」を作り上げてそれをエンジョイすること。

・非主張的な人は、他者からの評価を気にしてしまうため、①相手の要求を断っても相手のダメージは自分が想像しているほど大きくない、②職場や友人関係でNoと言わないでいると便利な人間になってしまうので、責任感と自立心のある人間になる、③自分の人生を他者に追従しない、ことが大事。
・対人関係で生じた問題は、それは誰の課題か?その課題の最終的な責任は誰になるのかを考えて、自分の課題と相手の課題に分離する。相手の課題であるならば、①相手から相談があった場合、②相手から迷惑をこうむった場合に限り共同の課題として取り組む。
・相手と自分の相性は、2:7:1、2:6:2の順で良い:普通:悪いの関係があり、全ての人と相性が良かったり、悪かったりすることはありえない。
・自分の欠点や気に入らない点があったとしても、自分をイエスと受け止められるか?それとも自分に長所があったとしてもノーと否定しするか?の問いにノーと答える人は勇気が欠乏している証拠。
・勇気とは、①リスクを引き受ける能力、②困難を克服する能力、③協力できる能力の一部、の3つに集約できる。
・採点結果では、自己勇気づけが出来ていない。その特徴としては、①自分の長所は受け入れず何かあると自分を責める、②自分の過去や現在のショックな体験をいつまでも心の傷としてこだわり続ける、③仕事でのミスにこだわり続け次の仕事に取り組むのを恐れる、④失敗して落ち込むと底なし沼にはまって自力で這い上がれない、⑤未体験の仕事が与えられることを恐れその仕事を引き受けないか誰かに依存する、⑥将来の自分をイメージしても何も出てこないか惨めな自分しか描けない、⑦仲間の相談を聞いても自分のことを考えてしまうか他人事としか思えない、⑧人の欠点に気づくとそれが気になって仕方なくなり咎めたり付き合いを止めたくなる、⑨他者をライバルとみなしがちで競争したり避けたりしがち、⑩自分の言うべきことが言えなかったり人の要求を断ることが出来なかったりして後で後悔することが多い。
・勇気づけ出来る人は、①自己受容力、②価値転換力、③教訓力、④復元力、⑤状況転換力、⑥楽観力、⑦共感力、⑧寛容力、⑨協力力、⑩主張力、がある。
・自分自身を勇気づけ出来ない人は、他者を勇気づけることもできない。
・自分を勇気づけできるようになるには、他者に対しての挨拶の言葉、感謝の言葉、プラスの言葉、を使う。これらの言葉は他社だけでなく、自分も元気づけるセルフトークとなる。
・勇気くじきの言葉が出てしまった場合は、意図的に勇気づけの言葉を発すれば良い。
・苦しい時には、①現状肯定:苦しんでいる現状をありのままに認める、②原点回帰:自分が置かれている位置を原点に戻って見直す、③絆の回復:①②をとおして絆の回復に意識が向かう。
・①良き師(メンター)を持つ:生きる上での指針を与えてくれる人で身近な人手なくても良い、②真の楽観主義を選ぶ:現実をしっかりと見据え自分のできるベストを考え「私はできる」と信じて行動する、③どんな時も勇気を持つ:いかなる場面でも「困難を克服する活力」である勇気を失わない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マインド関連
感想投稿日 : 2016年12月10日
読了日 : 2016年12月10日
本棚登録日 : 2016年12月10日

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