下流社会なんて言葉は、世の中の主流と思っている連中(今を犠牲にして将来の為に学歴を得たり)が勝手につけている名称。
実際は、自分の好きなことををやって生きている人も意外と多い。
そんな人たちにインタビューした本。
三章構成でインタビューを実施している。
第1章 みつけた!この働き方
農業、本屋、文楽、レコード屋
自分の一生涯の仕事に目覚めた人たち。
この章が一番面白かった。
サラリーマン時代と比べて収入が減ろうが、自分がやりたいことにかけている。
皆迷いがなく、生業=趣味という、ある意味ワークライフバランスもないような
生きることが仕事であり、楽しむことであるという充実ぶりがうかがえて、感慨深い
第2章 表現することが生きること
劇団員、ラジオ投稿、路上文庫
どちらかというと収入がなりたっている訳ではないけど、お金を稼ぐ方法は別で得て、
自分の好きなことにしっかり打ち込んでいる人たち。
ここら辺は下流云々ではなく、高収入の人たちも多趣味であれば入ってくるのでは?
と若干この本のコンセプトからはずれているのかなという気もしました。
第3章 社会を変えるために
NPO、組合、市民記者
社会問題に問題意識を持ち行動している人たち。
日常的に、肩の力が抜けて淡々と運動をしている。
好きなことをやっているというよりは内容が運動家っぽいところもあり、
ほぼ仕事頑張っている人のインタビュー聴いている感触
インタビューは若い人が多いので、収入少なめでも追いつめられないし、未来に希望が持てるからやっている部分もあるのかなとも思いました。
社会学者の鈴木謙介さんがまえがきでこの本の目的を書いているので引用します
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お手本になるような特別な生き方を示して、これからはこういう生き方をしよう、なんてことを言うために、この本はつくられたのではない。生き方の選択に対する先入観を取り払って、必要とされている本質的な出来事は何か、どんな選び方をすることが、自分にとって価値のあうることなのかについて考えるキッカケをつくることが、この本の目的だ。
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凝り固まった”常識”から自由になれるために、考え方の変換ができるようになるといいなと思いました。
- 感想投稿日 : 2021年4月3日
- 読了日 : 2021年4月3日
- 本棚登録日 : 2021年2月26日
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