SPY×FAMILY 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

著者 :
  • 集英社 (2022年10月4日発売)
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5

SPY×FAMILY(10)2022

初版発行2022年
デジタル版発行2022年

『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)は、遠藤達哉による日本の漫画。『少年ジャンプ+』(集英社、以下『J+』)にて2019年3月25日より隔週月曜更新で連載中。
遠藤にとって3作目の連載作品。赤の他人だったスパイの男、殺し屋の女、超能力者の少女が「仮初の家族」を築き、「家族としての普通の日常」を送るために日々のトラブルと奮闘するホームコメディ。
本作の連載開始と同日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)2019年17号には、本作の予告漫画が掲載された。1巻発売直後の32号、2巻発売後の47号にも読切の出張掲載が行われた。
閲覧数・コメント数・発行部数における最高記録を次々と更新するなど、『少年ジャンプ+』史上初の大ヒット作となった。
2022年にテレビアニメSeason 1が分割2クールで放送された。2023年にはミュージカルの上演、テレビアニメSeason 2の放送、劇場アニメの公開が予定されている。
あらすじ
世界各国が水面下にて、熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。東西の間に鉄のカーテンが下りて十余年、隣り合う東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)の間には仮初の平和が成り立っていた。

西国から東国に送られた西国一の凄腕スパイ・黄昏(たそがれ)は、東西平和を脅かす東国の政治家ドノバン・デズモンドと接触するため、偽装家族を作ってデズモンドの息子が通う名門イーデン校に養子を入学させる任務オペレーション〈梟〉(ストリクス)を命じられる。黄昏は精神科医ロイド・フォージャーを名乗り、養子を探して孤児院で少女アーニャと出会う。ロイドは知らないがアーニャは心を読むことができる超能力者(エスパー)で、彼の心を読んで賢いふりをしたため、難関イーデン校に合格できると考えたロイドは彼女を養子にする。実はそれほど賢くないアーニャにロイドは四苦八苦させられるが、なんとか筆記試験に合格。しかし次の面接試験に「両親」揃って来るよう指示されたため、ロイドは急いで妻役の女性を探すことになる。

その矢先、2人はヨル・ブライアという女性と出会う。彼女は公務員をする傍らいばら姫のコードネームで密かに殺し屋をしていたが、東国では妙齢の女性が独身でいるのは不自然とされ通報されるリスクがあるため、形式上の恋人を探していた。心を読む能力によってヨルが殺し屋であることを知ったアーニャは、好奇心からヨルが母親になってくれるよう仕向ける。恋人役を探していたヨルと、妻役を捜していたロイド、そして「わくわく」を求めるアーニャの利害が一致し、3人は互いの利益のために素性を隠しながら、即席家族としての生活をスタートさせる。


以上のようにWikipediaで紹介される作品。
前巻の終わりの話で雷一閃を喰らったアーニャの報告に卒倒してしまった黄昏。
その卒倒時に過去の西国が平和だった頃からの回想が描かれる。
誰にも過去がある。
すごいスパイである黄昏にも子供時代があった。
そして理不尽に始まった戦争。
子供時代の友人たちと再会したものの、無茶な戦線投入で彼らは死んでいく。
今、2022年2月からのロシアによるウクライナ侵略によって余計にこの黄昏の回想シーンは重く見えてしまう。
途中スパイになる前の軍人だった時代に未来に出会うフランキーと思わぬ出会いを既にしていたというあたりは面白い展開だ。
スパイになったのも偶然からではあった。
黄昏の人生、国家の影として働き続けるのも戦争を起こさない為である。
その根源的な動機がわかる。
またこの回想の話でも黄昏の本名は全て黒塗りされている所がなんとも。
いつの日か本名も名乗る時があるのだろうか。
ただ両親、友人誰も彼もが死んでしまい誰も本名を覚えていない世界に生きていたというのも・・・だからどうでもいいと黄昏が答える場面はこれまた重い場面だ。

ちょっとシリアスな話だった。
でもスパイファミリーはやはり巻末の話のような仲良しクラッシュをやろうとして失敗しダミアンと一悶着があるような日常の描写が良い。
ただこの平和を守るためにもスパイ活動が必要で・・・


印象に残った点

楽して応えを得ようとするなド新米
自分の頭で考え続けろ

(子育ては)・・わからないのが、普通・・・

無理して普通なんて覚えようとしなくても家庭なんてそれぞれですから

家庭の外の息抜きできる場所は多い方がいい

気の置けない相手がいるというのはとても大切なことです

オレは何も知らない
昔からずっと
開戦の本当の理由さえも
戦争は起きないと思い込み
あいつらは爆撃で死んだと思い込み
盲目的に敵を憎み盲目的に銃を取り盲目的に国に従った
無知とはなんて無力でなんて悪

この世はどでかい玉ねぎだ
幾重にも建前(ウソ)が重なって丸くなっている
涙なしにはその葉(ウソ)を剥がせない

結構、疑うのは良いことだ
我々の仕事は善も悪もすべてを疑ってかかること

お前は今日からその名も地位も捨て国家のための影とならねばならん

元々誰も覚えてない名前だ どうでもいい

2023/03/19(日)記述

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月19日
読了日 : 2023年3月19日
本棚登録日 : 2023年3月19日

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