サイバー・クライム

  • 講談社 (2011年10月13日発売)
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本棚登録 : 257
感想 : 30
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2000年から激増したDDoS攻撃などを使った組織犯罪から企業を守り続けたエンジニア,バーレットに焦点を当てた前編と,何とか犯人たちを逮捕しようと東欧を回って奮闘したイギリスの捜査官アンディに焦点を当てた後編の2部構成.事件単位ではなく,前編ならバーレット,後編ならアンディを中心に物語が進む.ジャーナリストが描いたせいかノンフィクションの割には展開がドラマティック.犯罪者の名前がBralnといったハンドル名なのはリアルだと思った.
描かれている事件の多くがDDoS攻撃主流だった頃であり,既に一昔前となってしまったサイバー犯罪が中心といった印象(今でも多いけど).解説もそれらがメイン.後半,個人情報を狙ったハッキング事件も出てくるものの,手口等の解説はほとんどなしなのがちょっと残念.
帯や売り出し文句に描かれているSony事件については,「はじめに」で監修の福森氏が,Sonyに対するAnonymousのハッキング事件をちょろっと解説している程度.本編には日本企業についてはほとんど出てこない.それでも,新聞などの解説に比べればよっぽど分かりやすいと思ったけど.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: KNOWLEDGE
感想投稿日 : 2012年11月2日
読了日 : 2012年10月6日
本棚登録日 : 2012年10月6日

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