戦前の岸田日出刀から前川、そして丹下、本書の主人公たる磯崎と、日本の近代建築のメインストリームをその各時代で代表する建築家達の関係を縦糸に、東京都庁という「日本最大のコンペ」における建築家たちの奮闘ぶりを横糸として、非常にコンパクトに多くの内容を詰め込んだ、エンターテイメントとしての建築書。なんだかんだと小難しい理屈を振り回しながらも、結局は「かっこいいから」この形を選ぶ、あるいはなんだか良くわからないまま選んだ形にあとづけでそれらしい説明をくっつける、リアルな建築家たちの息遣いを赤裸々に綴った文章にも好感が持てる。
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- 感想投稿日 : 2014年1月13日
- 読了日 : 2009年9月13日
- 本棚登録日 : 2014年1月13日
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