好色一代男 (岩波文庫 黄 204-1)

著者 :
制作 : 横山重 
  • 岩波書店 (1955年5月5日発売)
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京都島原の優美な遊女に、江戸吉原の遊女の気風を持たせ、大坂新町の豪華な揚屋(遊郭)で遊ぶ。これ以上のものはない。『好色一代男』1682

人間は欲望に手足が付いた生きもの。『好色二代男』1684

人は十三迄はわきまへなく、それより二十五までは親のさしずをうけ、その後は我と世をかせぎ、四十五迄に一生の家をかため、遊楽する事に極まれり。井原西鶴『日本永代蔵』1688

遊里(遊女屋・性風俗店)は嘘(偽)でかためられた世界であるが、嘘であると知りつつ、その嘘を楽しむことだ。遊ぶ側も、遊んでもらう側も、本心は表わさず、嘘の世界に徹しなければ、優美な遊びにならない。井原西鶴『西鶴置土産』1693

美女は男の命を断つ斧になる。『好色一代女』

遊里(遊女屋・性風俗店)で、遊女から情をかけてもらえるのは金があるうちだけだ。▼その老女はいまどきの衣装で身を飾り、男の気を引こうとしたが、誰も相手にしてくれなかった。老女は言う「女は若きうちのものぞ」『好色五大女』

老齢・貧窮の身に落ちぶれた一代女は言う「死ねばすべてが終ると思ったが、惜しくもない命でも捨てるのは難しくつらい」『好色一代女』

※避妊。和紙を膣に詰めて客の精液を防ぐ。水で客の精液を洗い流す。妊娠すれば、膣から棒でかき出して堕胎する。妊娠しても、女の子が生まれたら、その子を遊女として育てる(禿かむろ = 遊廓に住む童女)。
※性病(梅毒)に罹った遊女など「使い物」にならなくった遊女は寺に放り込まれた。浄閑じょうかん寺(吉原の近く)。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2023年8月18日
本棚登録日 : 2023年8月18日

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