アドルノ・ホルクハイマーの哲学を全てなぞることを期待していた場合、到底納得のいく著作ではないだろう。あくまで彼らは議論の土台であり、ここでなされているのは、その「問題圏」を再び現代において掘り返す試みである。
また著者自身が書くなかで、自分の哲学のスタンスを問いたださずにはいられないさまが、特に最後の章からひしひしと伝わってくる。
哲学の書ではなく、哲学をするための書だといえるのかもしれない。専門性はやや高いが、膝を付き合わせればどんな人でも読める内容のはずだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2011年11月8日
- 読了日 : 2011年11月8日
- 本棚登録日 : 2011年11月8日
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