作者買い。普通だったら受けを狙っておじいちゃんじゃなくてお世話係かヤンキータイプの男の子でいくところを今井先生はおじいちゃんにする勇気がすごいなと思いました。同作者の「ぼくらのよあけ」でも思いましたが、要素をあまり入れずにやりたいことを一本に絞ってやるこの作風は読んでいてスッと心のなかに入ってきてくれるので大変ラクです。
何でも出来るからこその頑固ジジイが活きている。何でも生み出せる魔法少女の横に礼節を重んじるクソジジイを添えることでファンタジーとほのぼの家族モノが上手く同居しているのがこのマンガの魅力の一つ。ひとさまに迷惑をかけたらげんこつ一発お叱りと古き良き日本の頑固ジジイ像が今の流され系主人公のアンチテーゼになってるようで痛快でした。悪い事したらメッ!ですよ。
アニメで映える要素もあり。「東京マンガラボ」のインタビューによれば今井先生はアニ研出身だそうで、「ぼくらのよあけ」でも妙にアニメ的な作風だと思いましたが、この「アリスと蔵六」という作品もそういった部分を受け取れる構成になってました。「鏡の門」のエフェクトやサナ視点でみる世界なんかもろアニメ映えする世界観で是非映像でもみてみたいです。
食べて喜んだり、地面に顔ぶつけて泣いたり、言い訳してみたりとコロコロ表情を変えるサナと常時ブスッとした顔の蔵六のコンビが織りなすこの作品がどういった展開を見せるのか。はやく2巻がみたいです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月31日
- 読了日 : 2013年3月31日
- 本棚登録日 : 2013年3月31日
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