これで統計処理の全てを把握できるか、というったらそうではありません。
完全な正確性や完璧さを求めるのであれば、この本の評価はさほど高くありません。
しかし、研究を実施する上で最低限必要となる統計処理を学ぶにあたり、この本は入門書として最適な一冊かと思います。
もちろん、統計処理はその本質を理解しない限り、抽出し分析したデータはたとえ結果が出ても意味がない結果となってしまいます。
そういう意味では、この書籍は「統計処理を誤る危うさ」について充分な説明をしているかというと、決してそうは言えません。
しかし、「このようなデータがあるから、とりあえず検定をしてみたい」ということであれば、書籍内のフローチャートに従い適用できる検定を探すことで、まずは統計処理を実施する段階までたどり着くことができます。
書店にならぶ、各種統計処理に特化したあらゆる本から必要となる技術を探すより、まずはこの本で概要や使えそうな処理方法を学び、それを元にして更なる専門書を読むことが、初心者にとっては最適なステップだと思います。
あるいは、統計処理に通じた人が初心者に対して勧めるにあたっても、さほど悪くない本だと思います。
ある程度の経験者であれば、この書籍のどこが使えるのか、あるいはどこに注意する必要があるのか充分に理解できるとおもいますので、コメントを添えて教科書代わりとして使うことも充分想定されます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2022年1月13日
- 読了日 : 2022年1月13日
- 本棚登録日 : 2022年1月13日
みんなの感想をみる