メキシコの青い空: 実況席のサッカー20年

著者 :
  • 新潮社 (2007年8月1日発売)
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感想 : 8
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2007/11/23 この本はサッカーファンであったら、ぜひとも読んでもらいたい1冊。いやサッカーファンじゃなくてもスポーツ好きやテレビ局の舞台裏について好きな人にはおススメ。

山本さんが実況をした、メキシコW杯予選やドーハの悲劇、ジョホールバルの奇跡、フランスW杯に日韓W杯、などなど、山本さんが実況で発した名セリフを読むと、まさに山本さんの声と試合の映像が頭の中に蘇ってきます。涙です。感動します。日本サッカー界の数々の苦難の道を思い出して、泣けてきました。

また、テレビ観戦がメインの僕としては、試合を実況するアナウンサーにもついてもかなりウルサイ方なのですが、山本さんは僕の中でもトップ3に入るアナウンサーさんです。この本を読んでいると、サッカーを実況する上での山本さんなりのコツが随所に書いてあり、なるほど、こういう実況だから煩くもなく、すっと試合に集中できるんだと膝を打って納得するところが多々ありました。これは、民放の若手実況担当は読むべしですね。

それと、放送側の舞台裏や解説者とのやりとり(加茂や松木の話が面白い)なども色々と面白いのですが、何よりも所々にチラッと出てくる山本さんの現代サッカーや日本代表に対する考察が深い。多分、アナウンサーだからという遠慮からか、その辺りはあまり書かないようにしていたんじゃないかなと思ったのですが、さすが現場で20年間も見ている人なので、チラッと発するその一言に深く頷かされました。今度は山本さんが思うサッカー観について、読んでみたいと思いました。

山本さんは実況としてはもう第一線を退いてNHKの解説主幹になってしまって、もう実況を聞くことができないのが何とも残念なのですが、ぜひまたもう一度聞いてみたいですよね。

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感想投稿日 : 2007年12月16日
本棚登録日 : 2007年12月16日

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