小学校1年から野球を始めた栗山さん
その頃から野球ノートなるものを書き、初めは練習メニューや上手くできたプレー、ミスしたプレーなどを記録されていたのが、やがてチームが勝つためにどうすればいいのかという視点で書かれるようになったとのこと
そして監督になられてからは、野球を野球の常識だけで読み解くべきではないと古今東西の古典を中心に読書を進め、その中に監督として、仲間として、人間としての在り方のヒントを探されている
この本には『四書五経』などの古典や著名な経営者の
著書から栗山さんが抜き出された言葉でいっぱいだ
その広範囲の読書に舌を巻くと同時に、何と自分に厳しく謙虚で真摯で、利他主義の方なのだろうとその人間性に感動してしまった
WBCの優勝で、ついこの間まで連日のようにテレビのワイドショーからインタビューを受けられていたあの笑顔と柔らかな物腰、決して驕らず全て選手、コーチ、スタッフ、ファンのおかげと語られていたその考え方が、2019年に発行されたこの本の随所に表れている
文中の一節
私は、なぜノートを書くのか。
『論語』に「性は相近し、習えば相遠し」との教えがあります。人の性質は生まれたときにはあまり差はないけれど、その後の習慣や教育によって次第に差が大きくなるという意味です。その日の試合や人とのふれあいから何を感じ、どんな行動をとったのか。それは私たちの道しるべとなる先人たちの言葉に沿うものなのか。反省を積み重ねることで、自分を成長させていきたい
この一節からでも栗山さんの人となりが窺われる
常に自分の目標を定め、それに向かってひたすら努力し、読書家の大谷翔平選手ととてもよく似ているなと思った
- 感想投稿日 : 2023年4月30日
- 読了日 : 2023年4月30日
- 本棚登録日 : 2023年4月25日
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