「"帝国の双璧"、相撃つ―――。」
ユリアン・ミンツを後継者としてイゼルローン共和政府を樹立した元・不正規隊(ザ・イレギュラーズ)のメンバーたち。ヤン・ウェンリーという偉大な指導者を失った組織を立て直すため、仲間たちと共に奔走するユリアン。
一方の銀河帝国では、新領土(ノイエ・ラント)総督で、"帝国の双璧"の一人として称えられるロイエンタールに、叛旗の意ありとの噂が流れる。馬鹿な噂と一笑に付した皇帝ラインハルトは、ロイエンタールからの招待状を受け、少数の部隊を率いて惑星ハイネセンへと向かう。しかし、その途上で立ち寄った惑星ウルヴァシーにて、ラインハルトは襲撃を受ける。ラインハルトは何とか難を逃れることが出来たが、上級大将ルッツを喪うこととなる。
この襲撃がロイエンタールの叛意であると信じられないラインハルトだが、彼の者からの弁明も何もなく、遂にはロイエンタールを反逆者として粛清することに決める。討伐軍の指揮を執るのは、"帝国の双璧"のもう一人でロイエンタールの無二の親友、ミッターマイヤーであった―――。
前巻のヤン・ウェンリーに続いて、今度は帝国側で偉大な人物の死が訪れる。地球教によって蒔かれた"種"によってもたらされた動乱であったとはいえ、ラインハルトとロインエンタールの信頼関係であれば容易に回避できるものであったはず。しかし、それを回避することは出来なかった。「稀代の用兵家である天才、ラインハルトに挑むことができる場が生まれてしまった」―――ロイエンタールをして、対決するに至ったそれに勝る理由はなかったのだ。
ロイエンタールの死によって内乱が終結した後、ヒルダに自身の子が宿ったことを知ったラインハルトは、改めてヒルダに求婚し、正式に妃として迎え入れることとした。しかし、その幸福の裏側で、病は彼の皇帝の身体を確実に蝕んでいたのであった―――。
次巻、ついに最終巻。果たしてこの銀河を舞台にした壮大な物語はどのような結末を迎えるのか。
- 感想投稿日 : 2022年10月15日
- 読了日 : 2022年10月14日
- 本棚登録日 : 2021年12月25日
みんなの感想をみる