時間のパラドックスを取りあげた小説でした。いわゆるタイムリープという時間を遡る能力、ここまで書くと筒井康隆の「時をかける少女」を思い出すのですが、それとほぼ同じ題名の「時を翔る少女」という小説を主人公が書くことがこの小説のプロットになっています。
舞台も学園もの、表紙のイラストもそれを連想させます。
時間のパラドックスの問題は、過去に遡って自分の父親を殺すと自分は存在しなくなるから、この殺人も成立しなくなる…というように考えていくと何やら頭が痛くなってしまう矛盾をはらんでいます。そのため、過去と現在が交互に登場、しかも人物も複数の動きが書かれるので、理解するのに苦労しました。私が論理についていけないのもあると思われますが、作者の表現力もイマイチなせいもあるかもしれません。終章に向かうにつれ不気味さが増していく雰囲気は読ませるものがありましたが。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
法条 遥
- 感想投稿日 : 2012年10月7日
- 読了日 : 2012年10月7日
- 本棚登録日 : 2012年10月7日
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