pulpII (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン (2006年3月30日発売)
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本棚登録 : 74
感想 : 8
3

1巻に比べると、2巻はやや質が落ちる。<BR>1巻は本当にノワール小説と言った感じだったが、こちらは寧ろアクションの色が濃い気がしたし、ヤクザ相手にいくら父親と喧嘩していたからって高校生の嬢が拳だけで片をつけられるとは思えない。<BR>また、いつの間にか彰と嬢の関係が甘くなっていて、やけに戸惑った。嬢はもう少し冷静なタイプかと思ったから、顔が赤くなったり強く自己主張をしたりするような描写があり、普通の女の子に見えてならない。<BR>前巻のようにざらついた日常などを描き、心の闇を覗かせていたあのノワールこそが、この作者が描く小説の見所であり、今回はそう言う場面が非常に少ない。<BR>面白くないわけじゃないし、?も買うつもりだけれど、ノワール的な要素が少なく、また嬢の父親に対する気持ちの変化が唐突すぎて追いつけなかったのが残念。<BR>前巻はややゆったりとした感じだったけど、今回は少し詰め込みすぎといったところか。<BR>どちらにせよ、最終巻でどうなるかがこの小説のポイントだと思う。<BR>次巻に期待。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: ファミ通文庫
感想投稿日 : 2006年3月31日
本棚登録日 : 2006年3月31日

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