2010年 アメリカ
ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナは、元ダンサーの母親の寵愛のもと、人生のすべてをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。しかし純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦だった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリーの出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった・・・。
映画の曲がフィギュアスケートのプログラムに使用されていて興味がわいた作品。ホラー系はほとんど見ないため気づかなかったのですが、どうやら私はサイキックホラーが苦手なようです・・・怖い!ていうか途中まで幻覚や妄想ってことが分からなくて、えっなんでリリー死んでないの!?訳分からぬーーってなってましたw
ナタリー・ポートマンの演技は素晴らしいですね。母親と同じく天才ではなく凡人として生まれたニナが、努力を重ね続けることで秀才となり、白鳥の女王役を射止めたときから、色気のある黒鳥を演じるためにたくさんのものを犠牲にしてしまうほど追いつめられていく過程が生々しくて、本当に狂気の中にいるみたいでした。ドラッグを通して崩壊したようなニナから見た目線も、崩れていく彼女の精神を反映しているようで、意味が分かったあとはなるほどなと思いました。
バレエとは縁遠い私ですが、何事も主役を務めるとなれば相応の努力が必要なことは分かります。何かに打ち込んで頑張った経験がある人なら、ニナの恐怖や苦痛は少し理解できるかもしれないですね。何かを得るということは、何かを失うということでもある。頑張りすぎるということは、そういう意味では怖いなぁ。
とりあえずホラーだから仕方ないけど、恍惚の中でニナが倒れていくのは怖くて後味最悪でした。ブラック・スワンなんていうタイトルからしてハッピーエンドにはなりえないのかもしれないけど、やっぱり私はニナに幸せになって欲しかった。それに親子の愛は歪んでるかもしれないけど、私は母が過剰なくらい応援してくれたからこそやれたこともあって全てが良くないとは思えない。最初から干渉してほしくないところではきっちり意見を言うのも必要で、いきなり爆発するのは年齢的にお子様すぎでしょう・・・。ニナが命を取り留めて幸せな人生を送っているといいな。
- 感想投稿日 : 2014年4月12日
- 読了日 : 2014年4月12日
- 本棚登録日 : 2014年4月12日
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