皆さんは、物語に大きく心を動かされ、読了後、想像の羽を広げて飛ぶが如く、呆然と何も手につかない状態に陥った経験はありませんか? これを「物語に囚われた」と言うなら、私は何度もあるし、いっそのこと、恍惚の人になってもいいな、とも思います。
さて、本書に登場する図書修復師は、「人と物語の関係性も修復する」という設定になっています。心が弱っている時、体は現実を生き、心が物語に囚われている状況は危険で、その物語の題名を当てて、救わなければならないのだそう…。
図書修復の仕事の手法や技術の部分には関心をもちました。四話に登場する、物語に取り憑かれたそれぞれの話がやや唐突で、諸々の設定も少々苦しく、本書の展開に没入しにくい印象が歪めない感想をもちました。
しかしながら、横浜山手周辺の異国情緒あふれる情景が目に浮かぶストーリーに、元町辺りを散策してみたくなりました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年12月4日
- 読了日 : 2022年12月4日
- 本棚登録日 : 2022年12月4日
みんなの感想をみる