日本では「経営理論=机上の空論」、現実の世界では役立たないとされており、体系的に学ぶ人は少ない。セオリーを無視し、現場の経験・精神論を過度に重視する現代の日本企業は「うさぎ跳びで勝てるようになる」と考えていた運動部と同じだ。
世界のエリートたちは、ビジネスの「セオリー」を知っているのだ。
(以下、特に読みたいと思った著書を6つ挙げます)
①『新訂 競争の戦略』- M.E.ポーター
ポーターによると、業界が儲かるかどうかは、その業界の競争状況の違いに出るという。競争が激しい業界は儲からない。
ただし、競争しているのは、同業者・売り手・買い手・新規参入者・代替品の5つである。
そしてその業界で他社に勝つには、コストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略の3つしかない。
②『キャズム Ver.2』-ジェフリー・ムーア
新商品の普及段階を示したテクノロジーライフサイクルには、イノベーター・アーリーアダプター・アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ・ラガードの5段階ある。
現実には、各段階の間に隙間があり、ここに落ちるとそれ以降には普及しない。特に1番厄介なのが、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にあるキャズムである。
このキャズムを越えるためには、ホールプロダクトを用意すること、他のアーリーマジョリティの事例を提示することが必要になる。
③『新版 ブルー・オーシャン戦略』-W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
ブルーオーシャンを作る方法を3段階で示した1冊。
まず、業界の一般的な価値提供を把握するために、価値曲線を描く。次に、どの価値提供を辞め、どの価値提供を増やすべきかを整理する。最後に、新たな戦略キャンパスを描き、新たな価値提供から市場を創り出す。
④『価格の掟』-ハーマン・サイモン
価格とは価値である、顧客が「この価値なら支払う」という価格が正しい価格である。行動経済学は、非合理的な人の行動を解明してくれる。
低価格戦略と高価格戦略のいずれを選ぶかは重要だ。顧客に一度でもアンカーされれば、途中変更はできない。
ただし、高価格戦略で成功している企業の方が、低価格戦略で成功している企業より多い。大抵の市場で、低価格で成功できるのは1,2社のみだからだ。
⑤『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』-ジム・コリンズ
優れた製品・戦略を作ることで、企業が成長するわけではない。リーダーが優れた組織を作り、社員に活力を与えて創造性を引き出した結果、優れた製品を生み出すビジョナリーカンパニーになったのだ。
彼らに共通する点は「理念を貫き通している」ということだ。基本理念を会社の目標や施策に一貫性を持って反映させ、社員の日々の行動に浸透させている。
⑥『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』-ジム・コリンズ
ビジョナリーカンパニーのリーダーに共通するのは、一見謙虚で大人しく見えるが、内面は熱狂的で意志が強く、勤勉に働き、大胆な判断をするという点だ。コリンズは彼らを「第5水準の経営者」と呼ぶ。
成功すると外部要因を探し、失敗すると自責を考え改善点を探す。
彼らは、まず自社の方針に合う適切な人だけを選んでバスに乗せ、不適切な人は降ろし、バスの目的地を決める。気の合うような人同士なら、目的地変更は簡単で、環境が変わってもすぐに対応できる。
- 感想投稿日 : 2020年11月12日
- 読了日 : 2020年11月12日
- 本棚登録日 : 2020年11月12日
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