正反対な新任教師2人とちょっと訳あり転入生1人が加わって、夕士の学生生活がドタバタする物語。
善意や正義がいつも誰かを救うわけではなくて、むしろ押し付け、決めつけになってしまうと怖いな、と感じました。相手のためを思って、と上っ面は良くても根底には自分はこれだけしてあげた、という思いがあると、結局は自己中心的なだけなのだと気付かされました…。
また、度をいきすぎたコンプレックスも厄介なものです。他者と比較した故のコンプレックス(物語の山本さんは優秀なお姉さんと比べて)は一概にダメとは言いきれない部分もあると思います。優秀な人に近づこうと努力したり、手本にしたり、自分の足りない部分を客観視することもできる、という点で。しかし、それが卑屈な方向に向かって承認欲求を満たそうと周りを否定して、自分を悲観したり、自尊心の塊になってしまうと恐ろしいです…。山本さんの心の闇が本当の意味で救われて欲しいですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
児童文学・日本
- 感想投稿日 : 2022年2月26日
- 読了日 : 2022年2月26日
- 本棚登録日 : 2022年2月26日
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