ロシアによるウクライナ侵攻が続く今だからこそ、あらためて生徒にも紹介したいと思います。
「戦争は悪いことだ」「平和は尊い」ということは自明の理ですが、また戦争が始まってしまいました。それはなぜなのか。
「始まってしまったのであれば、勝たなければしょうがない」と国民の中で戦争を推進する雰囲気が醸成されることや、戦争によってもたらされる「利益」のために戦争へと世論を誘導する者がいることが、中学生にもわかりやすく解説されています。
とくに後半の、ドイツで行われている歴史教育(戦争責任の自覚)やメディアのあり方への検証は、これからの国際社会の中で日本がどのように歩むべきなのか、一人一人がどのように考え、行動すべきなのかを考えるきっかけになると思います。
いざ戦争(戦闘行為)が始まると、自軍を応援するような愛国心を鼓舞する報道が心地よく感じられ、そのまま国全体が戦争継続の方向に流れてしまうということはこれまでの歴史が証明しています(アメリカのCNNによる湾岸戦争のニュース報道や、FOXニュースが米軍に帯同して「我が軍」の活躍を紹介することで視聴率を上昇させたことなど)。一方で、本書の最期に紹介されているフォークランド紛争の際のBBCのように、客観的な立場を保つ報道もありました。
政治家やマスメディアが発信するメッセージにどのような意味が込められて(隠されて)いるのか、そこを読み解くことが必要ですし、そのためには世界全体の動きを正確に把握し、自分の頭で考えることが不可欠なのだと改めて感じます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
仕事
- 感想投稿日 : 2022年3月18日
- 読了日 : 2022年3月18日
- 本棚登録日 : 2022年3月18日
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