NEWYORKER のライターとして八年、中国に駐在した著者による、同時代中国のレポート。
取材先の人物が圧倒的に多く、立場も様々。劉暁波・艾未未ら国際的にも著名な反体制派から、市井の路上清掃員まで。それぞれの立場から語られる「中国の夢」の実像、その洪水のようなエピソードの数々が、マジックリアリズムの小説を読んでいるのではないか、という錯覚をもたらす。
根本に、一党独裁社会に対する不審があるのは見えるが、本書の視点は、著者自身が専制社会をどう思うのかではなく、中国人たちがどう感じているのか、どう将来を展望しているか、にある。非常に良質なドキュメンタリーとして、記憶にとどめたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
教養本・エッセイ
- 感想投稿日 : 2018年12月20日
- 読了日 : 2018年12月20日
- 本棚登録日 : 2018年12月6日
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