ふとタイトルを思い出したので古書店で購入した
懐かしの昭和少女マンガ。
しかし、ずっと前に読んだことがあると思ったのは
気のせいだったか、ページを捲れども既視感を覚えず。
収録作は
さみしい夜の魚
つぐみの鳴く樹の下で
パラレル
季節の迷宮(ラビリンス)
表題作は1980年代の孤独な都会人の触れ合いと
すれ違い……とでも言えばいいか、
あれこれ手に入れておきながら更に無いものねだり状態
というのが、令和の現在からすると贅沢。
当時はこうした作風がクールだったのだろう。
面白かったのは「パラレル」。
一家四人が引っ越してきた一軒家には
売り主の荷物が一部残されたままで、
娘えりな は恐らく自分より少し年上の青年であろう
〈彼〉のイメージを膨らませ、恋心を募らせていく。
彼女はある日、現在の〈彼〉と対面したのだが――。
憧れ~幻滅・失望~日常への回帰かと思いきや、
もう一捻りある物語で「おお」と軽く唸った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
《か》~《そ》
- 感想投稿日 : 2024年4月1日
- 読了日 : 2024年4月1日
- 本棚登録日 : 2024年4月1日
みんなの感想をみる