さみしい夜の魚 (花とゆめコミックス)

著者 :
  • 白泉社 (1985年2月19日発売)
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本棚登録 : 13
感想 : 1
3

ふとタイトルを思い出したので古書店で購入した
懐かしの昭和少女マンガ。
しかし、ずっと前に読んだことがあると思ったのは
気のせいだったか、ページを捲れども既視感を覚えず。
収録作は

 さみしい夜の魚
 つぐみの鳴く樹の下で
 パラレル
 季節の迷宮(ラビリンス)

表題作は1980年代の孤独な都会人の触れ合いと
すれ違い……とでも言えばいいか、
あれこれ手に入れておきながら更に無いものねだり状態
というのが、令和の現在からすると贅沢。
当時はこうした作風がクールだったのだろう。
面白かったのは「パラレル」。
一家四人が引っ越してきた一軒家には
売り主の荷物が一部残されたままで、
娘えりな は恐らく自分より少し年上の青年であろう
〈彼〉のイメージを膨らませ、恋心を募らせていく。
彼女はある日、現在の〈彼〉と対面したのだが――。
憧れ~幻滅・失望~日常への回帰かと思いきや、
もう一捻りある物語で「おお」と軽く唸った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  《か》~《そ》
感想投稿日 : 2024年4月1日
読了日 : 2024年4月1日
本棚登録日 : 2024年4月1日

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