異国情緒たっぷりの神戸の街を、我らが庄野隼人くんと小須賀先生が、足で、車で駆け巡る。二転三転する事件の様相。解いた謎の後ろにまた現れる謎。特に後半は息もつかせぬ展開で、一気読み間違いなし。
物語もさることながら、このシリーズは登場人物もひとりひとり愛おしいです。
中村翁の愛孫・薫子嬢の明るくて可愛らしいきらきらとした輝きや、斎藤の存在の清涼さはほっとひと息つく癒し。藤井大尉のどこまで裏があるのかわからないしたたかさ、そして小須賀との火花の散らしように胸が躍ります。
そして今回のゲスト、露西亜を追われたヴァイオリニスト・クラーギン氏とマカロフ氏に、マダム・ワン!マダム・ワンには、またぜひ今後も登場して活躍していただきたい・・・!
最後、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトが胸に響きます――庄野君の心の結びとともに。
次作を、なるべく早い時期に期待!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年11月5日
- 読了日 : 2016年11月3日
- 本棚登録日 : 2016年11月5日
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