インフラの呪縛: 公共事業はなぜ迷走するのか (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2014年3月5日発売)
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本棚登録 : 69
感想 : 8
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これは良い新書。

戦後のインフラ整備の流れ、国土計画を、ダム、道路、鉄道等の分野ごとに追って行って、評価、反省と今後の展望みたいな流れ。

事実関係に関してはニュースとかで見る政治の動きとか、オフィシャルな議事録とか回顧録とかで丁寧に追っていて、それらを治水だと高橋裕先生といったキーパーソンへのインタビューでまとめる構成で、とても読み応えがある。

インフラに関わる言説って善悪二元論で分かり易いものが多い。これは動く金が大きいからか賛成反対を問わず政治家の関心を集めるからだと思うけど、実際はとても複雑っていう実情がよく分かる本。

途中で、ダムの反対運動をしていた室原さんって人の言葉として引用されてる、

「公共事業は理にかない、法にかない、情にかなわなければならない。」

っていう言葉が激熱だと思ったので、まあこんな感じのことも思いつつ、ゆるふわに仕事に取り組もうと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 土木
感想投稿日 : 2014年4月24日
読了日 : 2014年4月24日
本棚登録日 : 2014年4月8日

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