米『ニューヨーカー』誌の記者を務めるジャーナリストが、いままさに進行中の「6度目の大絶滅」の実態を探っていく科学ノンフィクションである。
地球の長い歴史のなかで、過去5億年の「顕生代」(目に見える生物が現れた時代)に入ってから、5度の「大絶滅」(「ビッグファイブ」と呼ばれる)が起こったとされている。
大絶滅(大量絶滅)は、「世界中の生物相の大多数が、地質学的に見て取るに足らない時間で消滅すること」、あるいは「急速に地球規模で起きる生物多様性の多大な損失」などと定義される。
いま進行中だと考えられている「6度目の大絶滅」が過去の「ビッグファイブ」と異なるのは、人類の活動によって引き起こされている点だ。
現在、「造礁サンゴ類の三分の一、淡水生貝類の三分の一、サメやエイの仲間の三分の一、哺乳類の四分の一、爬虫類の五分の一、鳥類の六分の一がこの世から消えようとしていると推定される」という。
消滅の原因はさまざまだが、検証すれば必ず人類という犯人にたどりつく。
読みながら、『寄生獣』でミギーが言う名セリフ――「シンイチ……『悪魔』というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物は やはり人間だと思うぞ……」を頭に浮かべずにはおれなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
科学一般
- 感想投稿日 : 2018年10月6日
- 読了日 : 2015年7月16日
- 本棚登録日 : 2018年10月6日
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