世界的な文明評論家である著者の本は、本書の前著に当たる『第三次産業革命』(2011年)を読んだことがある。
蒸気機関と印刷技術が担った第一次産業革命、石油動力と電話などの電気通信技術が担った第二次産業革命につづき、いま、太陽光発電などの再生可能エネルギーとインターネット技術の融合によって、第三次産業革命が起こりつつある、という本であった。
本書は、その続編ともいうべき内容だ。著者の提唱する第三次産業革命が、「IoT」(Internet of Things=モノのインターネット)時代の到来でいよいよ本格的に始まったことをふまえ、進行中のパラダイムシフトを改めて論じた書なのだ。
「限界費用」とは経済学の用語で、「モノやサービスを一つ(一単位)追加で生み出す費用」のこと。あらゆるモノがネットを介してつながる「IoT」時代には、コミュニケーション、エネルギー、輸送の効率性・生産性が極限まで高まることで、この限界費用がほぼゼロになっていく。
たとえば、電子書籍や音楽のネット配信は、印刷費や輸送費などがかからないことで、すでに限界費用がほぼゼロになっている。今後は、あらゆるモノやサービスにこういう変化が起きていく。
そして、限界費用ゼロ社会では、モノやサービスがどんどん無料化していくことで、企業の利益が消失し、資本主義が成り立たなくなる。
では、その先の「ポスト資本主義社会」とはどのような社会なのか? リフキンはその問いに、さまざまな角度から答えている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済
- 感想投稿日 : 2018年10月3日
- 読了日 : 2015年12月22日
- 本棚登録日 : 2018年10月3日
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