Final Phase (PHPコミックス)

著者 :
  • PHP研究所 (2011年12月23日発売)
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本棚登録 : 47
感想 : 5
5

2011年の単行本デビュー作。
感染症のアウトブレイクを描いたマンガとして、大変よくできている。

やはり感染症のアウトブレイク/パンデミックを描いた『リウーを待ちながら』の、プロトタイプともいうべき作品。

『リウーを待ちながら』と比べると、絵柄が生硬であるなど、やや未熟ではある。それでも「習作」という印象はなく、これはこれで十分に完成されている。

東京湾岸の架空の街「潮浦地区」を舞台に、ハンタウイルスのアウトブレイクを描いている。
地区は感染拡大を防ぐべく封鎖され、そこから「脱走」しようとすると逮捕されてしまう……などという描写が怖い。

「クラスター」「エアロゾル化」など、今回のコロナ禍でマスコミ上に飛び交っている用語が頻出する。本作をコロナ前に読んだら絵空事に思えただろうが、いま読むと怖いくらいリアルである。

ヒロインの女医・鈴鳴をはじめとしたキャラも立っているし、演出もうまい。歌舞伎の見得のようにビシっと決まったコマが随所にあるし、心に残るセリフも多い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ/あ行の作者
感想投稿日 : 2020年4月21日
読了日 : 2020年4月21日
本棚登録日 : 2020年4月21日

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