深夜0時の司書見習い (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2022年4月22日発売)
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本棚登録 : 1413
感想 : 52
3

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初めて読む近江泉美さんの小説。
題名に惹かれて読みました。

人との関係に無理が見え隠れする
主人公のアン。
痛みを抱えながら傷に耐え、自分の
ためではなく大切な人のために
自分を奮い立たせて変わっていく物語。

できない理由を無意識に
探して『どうせ』と変わろうとしない
自分にウンザリするところや、
それでも変わろうと葛藤する心の揺れ
る様子がとてもリアルです。

各短編ごとにメッセージが記されていて、
一つごとに弱くて身勝手な自分を乗り越えようと
頑張るアンが眩しい。

ーーーーー
突然、父親の知り合い宅で二週間の
ホームステイする事になった主人のアン。

苦労して辿り着いた先は立派な
お屋敷だったが、主人から宿泊について
身に覚えがないと言われ到着早々途方に
暮れてしまう。

はるばるやってきた女子高生を不憫に
思い、家人の好意で泊めてもらえる
ことになるが、一夜の宿が確保できた
安堵で眠りに落ちたアンは不思議な
体験をする。

周囲の言動や顔色に気を遣い、
問題なさげに振る舞うアンだが、
不安げな態度に隠された悩みが垣間見える。

ある時を境に本から遠ざかっていた
アンが読書の楽しさを思い出して
変わっていく成長の物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月16日
読了日 : 2022年9月16日
本棚登録日 : 2022年4月20日

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