人生を変える単純なスキル - センスよりスキルを信じよう 若手社員からプロフェッショナルまで大切にしたい7つのスキル -

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  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2020年1月20日発売)
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どのビジネス書にも記載があるような、基礎的で単純なスキルが記載されていました。それを筆者の経験から記載されており、そのスキルを必要と認識することができる一冊であると感じました。
単純であり、誰でも行動に移すことが出来るスキルだからこそ、徹底的に磨き上げる。分かってはいてもなかなか行動に起こすことが出来ないのが、一般的な人なんだと思います。

まずは「TTP(徹底的にパクる)」で実践してみて、内省を通じて成長するきっかけにしたいと感じることが出来る本でした。





<要 約>
■simple skill 1
すぐやる

「すぐやる」は最強のスキルであるが、意外とできていない人が多い。
依頼した側は、こちらのレスポンスを待っているケースが多い。「すぐやる」というスキルを身に付けると、仕事がさっさと終わって自分が楽になるばかりか、依頼主も喜ぶこととなり、それがきっかけで次から次へと仕事がやってくる可能性もある。経験値も上がって、仕事力が身に付き、成果物の質と生産性が向上する可能性を秘めている。
「孫子」においても「巧遅は拙速に如かず」と説かれている。

どうしたら「すぐやれる」か?
それはすぐやらなければ!という気持ち・気合いだと思っているから。
逆に「どうして、すぐにやれないのか?」を考えてみると、、、やる時間がない・やる能力(スキル・知識)がない・やるために必要な人脈がない、お金がない、、、など、いつまでも揃わない条件(言い訳)を探しているだけである。
一番簡単なステップは、「できない理由を探さない事」。そして「できない理由」の代わりに「できる方法」を考えること。自分の脳に問うのは、「どうしたらできるのだろう?」と思考する。そうすると脳はいつもできる方法を考えるようになる。

完璧主義でいかない。
仕事は完璧に遂行することは不可能。なぜなら仕事を評価するのは自分ではなく、常に相手だから。評価するのは人間であり、そこには感情が存在する。そのために依頼された仕事は「すぐやる」。β版を作成して、仕事の進め方を確認しながら遂行する。

手を挙げる
質問したいことがあるのではなく、最初から「必ず手を挙げる」と決めて行動に起こす。

すぐやるための準備
準備として考えたいのは、「自分の脳が勝手に動き出して、アクションを取らざるを得ない状況」を作るためのテクニックではないか?(ex そのための「手を挙げる」というHow)
=やるしかないという状況が、頭と身体を動かす。そのため、すぐやるためのテクニックは「片山さん、次の資料は○○までに出しますね」と自分で〆切を設定して宣言してしまうこと(仕事は次から次へとやってくるので、自分で〆切を設定して予定にぶち込む!)。

人を行動に駆り立てるのは「必然」か「欲望」
もし本当に行動に繋げたいのであれば、行動するための「必然」をどのように作るか。あるいはどう「欲望」を喚起させるかを考えてみる。行動できないのは、本当にやりたいことではないのではないでしょうか?その「行動」は「必然」ですか?


■simple skill 2
自分を知る

今求められている力
変化が激しく予測できない世界において求められている力とは?それは「自分は何がしたいのだろう?」、「自分はどのような人間なんだろう?」、「自分の強みは何だろう?」を知ることが出来る力である。自分らしい判断を下すための前提となる力。それを自己認識力(セルフアウェアネス)という。

自分を知るとは?
自己を分析するための心理モデル「ジョハリの窓」
① 自分も他人も知っている窓(開放の窓)
② 自分は気付いていないが他人は知っている自己(盲点の窓)
③ 他人は知らないが自分は知っている自己(秘密の窓)
④ 自分も他人も知らない自己(未知の窓)

→私たちは必ずしも自分を完璧に知っているわけではない。

内省するスキル
今日一日を振り返ることで、内省をしよう。
① その日やったことで良かったこと。できたこと。(客観・事実)
② なぜ、その行動ができたのだろう?(主観・感想)
③ その日やったことで良くなかったこと。できなかったこと(客観・事実)
④ なぜ、それができなかったのだろう?(主観・感想)
自分は意外と自分のことを知らないのか?それはゆっくりと自分自身を振り返ることをしていないからとも言える。それをしないまま年月が過ぎ去ると、「自分はこういう人だ」や「こういう人であってほしい」という間違った固定観念が生まれてしまったり、知らないうちに「自分は○○なんだ」と思い込んでしまう。そのことが本来の自分との差を生んでしまい、本当にやりたいことが分からなくなる。
そのため、「自分を知る」ために、一歩引いて考えてみる「内省」の時間が大切である。まずは主観を一切排除して「客観的な事実」だけを考える。
まずはポジティブな事実から考えていくことで、自己肯定感をpositiveに考えて内省をしましょう。

他人と比較しない
他人との比較ばかりに目が行ってしまうと、自分が本当に何がしたいのかを見失う。本来の自分以上を見せようとして疲弊する。自分は何がしたいのか?それはどうやったらできるのか?を考えてみましょう。

セルフブランディングをしよう
人(相手・他人)が自分のことを分かっていなければ、せっかくの「自分を知る」ことが活きません。つまり「自分を知る」とは「人が自分を理解してくれる」は両輪といっても良いくらい大切なことである。

リーダシップを語る時によく出てくるのがセルフ・アウェアネス(自己認識)です。リーダーの重要な仕事は「意思決定すること」ですが、VUCAの時代では意思決定も難しい。
意思決定に必要なものは「自分」の意思であり、他人の意思ではない。


■simple skill3
経験を稼ぐ

欲しいのは「どこでもやっていける自信」
自身は経験からしか身に付かない(「できた!」という経験をしっかり自身に変えないと身に付かない。ほんの少しのストレッチをやってみて、その経験を少しずつ自身に繋げていくことで「どこでもやっていける自信」に繋がる。
人材育成の世界では、「コンフォートゾーンを抜ける」という(心地よい空間、快適な場所から抜け出す)。コンフォートゾーンに安住していても、成長はない!

経験が好奇心を刺激する
アイデアは移動距離と比例する。いつもの自分とは違う何かに触れ、好奇心を刺激しよう。
「stay hungry, stay foolish.」 →「ハングリーであれ、バカであれ!」の直訳になるが、真意は「(人生は)将来何がどうなってくるかわからないのだから、先を考えずに、迷わず、今やりたいと思ったことをやろう!」

いつからだって遅くない
今日が「残りの人生」最初の日 →思い立ったが吉日。やりたかったことをやらなかった、挑戦しなかった、と後悔しない人生にしよう。

意思決定の機会を作る
Leadershipという言葉をどのように捉えるか。「実践」や「経験」を抜きにleadershipは語ることが出来ない。
Leadershipに限らず、スポーツマンシップやパートナーシップなど、後ろに~シップとつく言葉は「(相手と)どのように向き合うか」という心のあり方に繋がってくる。つまり単純なスキルではないため、leadershipを実践するためにどのような「場」に身を置くかが重要になる。
→それは意思決定の場である。では、意思決定の能力をどのように磨くかというと、いかに多くの意思決定の場を経験しているかが鍵となる。

経験学習サイクルを回す
ちょっとのストレッチ →意思決定 →振り返り(内省) (PDCAサイクルを回す)


■simple skill4
相手を知る

孫子の有名な言葉「彼を知り己を知れば百戦負けず、彼を知らずして己を知れば一勝一敗する、彼を知らず己を知らあれば戦うごとに必ず負ける」
→勝負においては「敵と味方の実情を熟知していれば、百戦戦っても負けることはない。しかし敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたり。敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける」という。
まずは相手を知りたいという「気持ち」を持つ。

相手のことは分からないという前提を持つ
セルフ・アウェアネス(自己認識力)の前提は、「人は意外と自分のことを知らない」ということ。しかしそもそも自分のことを知らないのに、自分以外の相手のことどこまでわかっているのだろう?
Leadershipの必要事項には「自分を知る」「相手を知る」「自分を取り巻く状況(俯瞰してみる)」の3つが必要である。「相手は本当はどのように思っているのか?」と意識することが大切で、自分は相手のことを全部わかっていないんだという前提に立つことが重要。
「相手のことを分かっているつもり」と「本当に相手のことは分かっていないかもしれない」との間には大きな隔たりがある。だからこそ「わかろうとする」姿勢が重要です。
相手を知ろうとするときは固定概念を捨てましょう。

当事者意識を持つ
リーダーに求められる資質として、「empathy」が大切といわれる(直訳すると「共感」)。
似た単語で「sympathy」があるが、「sympathy」は「同情」の感覚が近い(どこか他人事)。一方「empathy」は自分事で捉える感覚となり、相手と自分の気持ちを重ね合わせて悩みを分かち合うというもの(自分事のため「共感」という感覚になる)。
「empathy」を鍛えるためには「自分だったら…」と考えるようにする。

オープンマインド
自分から心を開くことで物事をうまく進める。

相手に聞く
「求めていることはこのようなことですか?」「私の理解であっていますか?」「なぜそのようにしたいのですか?」と相手に問いかけることはとても良い行動。なぜならじぶんでも依頼したいことを改めて確認できるから。
「傾聴のスキル」として「笑顔」「ミラーリング」「聞いているという姿勢(意思表示)」これらを磨いて、相手に聞きましょう。

俯瞰する
俯瞰する力を身に付けるには、マインドフルネスが良いとされる。
やり方としては、立ち止まって考えること。「そもそも」の目的や行動の理由・原動力を考えることも俯瞰に繋がる。


■simple skill5
相手に伝える

相手に伝わらなければ「ない」のと同じ
「言ったつもり」や「伝えたつもり」は、とてももったいない。お互いが嫌な気持ちになる上、生産性が悪い。
つまり、こちらがいくら「伝えた」と思っていても、相手に伝わっていなければ「ない」のと同じである。コミュニケーションの前提として、相手に伝わって初めて「伝わった」ということを深く理解しておく必要がある。
相手に聞く耳を持ってもらう瞬間で重要なポイントは、「最初の瞬間」。なので相手に「聞きたい」と思わせることが必要になる。
「伝えようとする気持ち」と「聞きたいと思わせる」こと。この工夫がコミュニケーションでは必要であると理解しておく。

人を動かすのはロジックよりもエモーション
「人間は理性でなく感情で動く」ということを理解しておく必要がある。そのうえで考えておきたいことが、「どのように相手の感情を動かすか」ということ。
そのため分からないことは分からいと素直に伝えること。常に素直である姿勢を相手に全力で伝えておくと、伝わりやすくなる。

ポジティブになる
「Positive leadership Strategy」は、ポジティブ心理学をベースにしたleadershipとそれをどのように事業戦略や組織戦略に活かすかというもの。組織の中にいかにPositiveな空気を作る能力もleadershipの一つである。

目的・目標を共有する
気持ちも込めて上手く伝えているつもりなのに、提案が相手に響かない、相手の心が動かないというときがある。なぜか?
それは「なぜ?」がポイントになるかもしれない。
私たちは課題を与えられたとき、それをどのように(How?)解決するか、解決するためには何(What?)をするべきかを考えてしまいがち。しかしそれらを考える前になぜ(Why?)を考えない事には本来の「目的」を失ってしまいます。
ちなみに「目的」(Why?)はゴールとも言いますが、もう一つ同じような言葉に「目標」(What?)があります。この違いは何かというと、「目的」は「なぜ?」「何のために」というゴールであり、「目標」は目的を叶えるための到達点(=何をするか?)というゴールです。したがって、提案でも依頼でも、相手に何かを伝えるときは、まず大切にしておきたいことは「なぜ?」から伝えることです(「なぜ」→「どのように」→「何を」の順番)。
人に何かを伝えるとき、心を動かしたいとき、物事を伝える順番は
「なぜ?」を最初に持ってくること(「なぜ」は情熱や夢、大義とも言い換えることが出来る。その夢や情熱、大義を叶える手段が「どのように」であり、その手段が形となって表れるものが「何を」という事になる。
「なぜ?」という感情を伝え、それを共有することが出来れば、相手の心を動かし行動を起こしてもらうことに繋がる。

プレゼンテーション力を身につける
「プレゼンテーション力」とは、「いかにあがらないか」、「いかに平常心を保てるか」というマインドセットが大切。加えて、プレゼンテーションを組み立てるにあたり「自分の話を聞く相手の人はどんな人たちなんだろう?」、「相手が聞きたいことは何だろう?」、「何を伝えたら相手は喜ぶだろう?」を考えることである。
「何を伝えたいか?」も重要であるが、その前に考えるべきは相手のことであり、相手にfocusを当てることをブレずに理解できるかが鍵になる。


■simple skill6
実力を発揮する

「なぜ」実力を発揮できないのか?
本番で実力を発揮できなければ、仕事ができるとは言えない。結局、仕事力とは本来持っている実力を本番環境で発揮できる能力である。つまり、敵は私たちの外にいるのではなく、自分自身の中にいるのです。だからこそスキルや知識を高めることも重要であるが、マインドセットやメンタルに意識を向ける必要がある。
そのマインドセットを持つようになるための方法の一つとして「Routine(ルーティン)」がある。なぜRoutineを行うことで実力を発揮できるのか?それは以前上手くいったときと同じ動作をすることで自分に対して「この行動をしたら大丈夫!上手くいく!」と暗示をかけて、マインドセットができるかである。つまり自分の心をコントロールできるのです。
そのRoutineを重ねることで、平常心と不動心を獲得して、本番環境でも「普段通り」でいることができる=実力を発揮することが出来るのである。

マインドフルネス
リーダーはいつも正しい意思決定が求められるため、常に心の閉場を保つ必要がある。

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カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年2月19日
読了日 : 2020年2月19日
本棚登録日 : 2020年2月19日

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