はじめまして、本棚荘(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ こ 1-1)

  • メディアファクトリー (2010年2月23日発売)
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本棚登録 : 814
感想 : 139
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屈折した女性って、どうしてこうも魅力的に見えるんだろう。今のところ本の中限定だけど。現実にこんな人たちがいたらお近付きになりたくないけど。

とげを抜く変わり者の姉妹、過去に囚われたキャバ嬢、卒業も危ういグウタラ女子大生。
かつて猫を使って後家さん向け見世物を演じていた家賃滞納男、本棚荘の玄関に捨てられていたうらぶれサラリーマン。

そんなクセのある女性陣と、アクの強い男達が織り成す一つ屋根の下の物語。
人々に刺さった「とげ」を抜くことを天職とした姉の留守を預かる妹と、彼女を取り巻く本棚荘の人々の交流が描かれます。

個性的すぎるキャラクタに対して、文章の方はすごくサラッとした読み応えなのが心地よかったなあ。没個性でこの文章だと面白くないだろうし、このキャラでクセのある文章だと読んでて疲れそう。絶妙なバランス!

本棚荘ってタイトルだからてっきり本好きな住人達の話かな〜と思ってたら、出てくる主要キャラ全員が本を読まないとは!(笑)
そんな中、チラホラ出てくる「本棚」の存在感(笑)。

それはそうと、「とげ」ってそもそも何なんだろう?
話の流れからして、精神的なダメージとかストレスとか、メンタルな内容よね?と思ったら、マテリアルなものでもあるようで、結局最後まで正体は分からずじまい。

前回のツクツク図書館を読んだ時にも感じたけど、面白い!とか退屈!とか評価し辛い作風だなあ…。相性がいいのかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ●文芸(近代)
感想投稿日 : 2014年10月29日
読了日 : 2014年10月29日
本棚登録日 : 2014年10月29日

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